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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.158

 修理を重ねながらだましだまし使っていた風呂のボイラーが壊れてしまい、修理が終わるまでは温泉通いが続きそうです。仕事場から自宅に帰るまでのあいだ少し遠回りするといくつか温泉が出ているので、休みに気を付けながら順番に回って歩けばいろんなお湯が楽しめそうです。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1<<<<< ワンポイントクイズ
    ;副業・兼業の場合の労働時間管理
2<<<<< 今月のお知らせ
    ;ロンドンバスと県内就職と酒造りをテーマに研究会
    ;社労士会セミナー (参加費無料)「いい会社づくり」
3<<<<< 気になるニュース
    ;改正派遣法「労使協定方式」Q&Aを公表
    ;軽減税率対策補助金の手続要件を変更
    ;10月から「地方税共通納税システム」がスタート
    ;中小企業における消費税価格転嫁等に関する調査結果
    ;外国人技能実習生の実習実施者の監督指導送検状況
    ;監督指導による賃金不払残業の是正結果
4<<<<< 広報・リーフレット;年金生活者支援給付金
5<<<<< お役立ちアンサー

■====== 1; ワンポイントクイズ ============

Q:副業兼業の場合の労働時間管理は?
A:  (答えは巻末をご覧下さい)

■====== 2; 今月のお知らせ ================

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ロンドンバスと県内就職と酒造りをテーマに研究会

「ロンドンバス」と「県内就職」と「酒造り」をテーマに研究会を開催します、参加は無料ですがお申込は必要です。終了後に任意参加で懇親会を企画しております。
件 名 石川中央労務研究会第57回業務研究会
日 時 令和元年9月28日午後1時30分から5時00分まで
場 所 白山市松任学習センター(松任図書館隣接)
テーマ 1.UIターンと石川県内就職の促進
    2.ログハウスにクラウドFでロンドンバスのホテル
    3.受け継ぎ復興した酒蔵といまどきの杜氏の酒造り
    4.その他……近況報告など(参加者の情報交換)
参加費 無料(オブザーバ参加も無料ですが申込は必要です)
===懇親会(懇親会のみ参加も可)===
 日時:令和元年9月28日(土)午後5時30分頃から
 場所:洋風キッチンあんと(グランドホテル松任1F)
 会費:4,000円ほど

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社労士会セミナー(参加費無料)

昨年6月に「働き方改革関連法」が成立。本年4月から有給休暇の取得義務化などがスタートしています。今後も残業時間の上限規制や「同一労働同一賃金」の適用などが目白押しで、経営者は待ったなしの対応を迫られています。働く人の価値観が多様化した今、「ここで働き続けたい!」と思う会社とは?社労士がわかりやすく解説します。
講演  働き方改革で実現する「いい会社づくり」
日時  令和元年10月9日(水)13:30~15:00
会場  金沢市異業種研修会館 2階研修室
講師  三井敏彦(石川県社会保険労務士会 会員)
主催  石川県社会保険労務士会

■====== 3; 気になるニュース =============

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改正派遣法「労使協定方式」についてQ&Aを公表

 働き方改革関連法による改正派遣労働者法により、1.派遣先均等・均衡方式または2.労使協定方式のいずれかの待遇決定方式により、派遣労働者の待遇を確保することが、派遣元事業主の義務とされました。2の「労使協定方式」については、「同種の業務に従事する一般労働者の賃金」と同等以上であることが要件となっており、これまでに、当該賃金の水準に関する通達や各種資料が公表されています。

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軽減税率対策補助金の手続要件を変更(経産省)

 消費税軽減税率制度の実施に向けて、中小企業庁は軽減税率に対応するレジの導入等を補助金(軽減税率対策補助金)により支援してきましたが、中小事業者による対応レジの導入を幅広く促進するため、その補助金の手続要件を変更するとの公表がありました。

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10月から「地方税共通納税システム」がスタートします

 2019年10月1日から、複数の自治体への納税が一度の手続きで済むようになる「地方税共通納税システム」がスタートします。地方税共通納税システムとは、全ての都道府県、市区町村へ、自宅や職場のパソコンから電子納税ができる仕組みのことです。現在の納税手続きの多くは、地方公共団体が送付した納付書に基づき、金融機関等の窓口を通じて行われており、手続きが煩雑で、納税者、地方公共団体それぞれに事務負担が大きいとされています。

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「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方」報告書を公表

厚生労働省の「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」は、「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する報告書」をとりまとめ公表しました。報告書では、主に、労働者の健康管理、時間外労働の上限規制、割増賃金という観点から、今後の方向性として考えられる選択肢の例示が整理されています。

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「中小企業における消費税の価格転嫁等に関する実態調査」結果

 日本商工会議所が発表した調査結果では、消費税率を引き上げる際に導入される軽減税率制度を巡り、企業の準備が遅れていることが明らかになりました。対応するレジへの改修について4割が着手していないことが判明しており、他の調査でも、軽減税率に未対応の企業が半数程度に上るというデータが公表されています。このまま10月に入れば現場の混乱は必至で、全国で同時多発的に混乱が生じる可能性が高まり、景気の足を引っ張る事態が懸念されています。

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ストックオプション税制の適用対象者の拡大

 「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律」に基づき、ストックオプション税制の適用拡大に関する新たな計画認定制度がスタートしました。本制度は、ストックオプションを活用した柔軟なインセンティブ付与を実現することで、スタートアップが社外の人材を機動的に獲得し、成長することを後押しするものです。

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外国人技能実習生の実習実施者に対する平成30年の監督指導、送検等の状況を公表

 厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が、平成30年に外国人技能実習生(以下「技能実習生」)の実習実施者(技能実習生が在籍している事業場。以下同じ。)に対して行った監督指導や送検等の状況について取りまとめ公表しています。

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監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成30年度)

 厚生労働省は、平成30年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果を取りまとめ公表しています。全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成30年4月から平成31年3月までの期間に不払だった割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたものです。

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平成30年度のふるさと納税寄附額は過去最高の5127億円

 総務省は平成30年度ふるさと納税に関する現況調査結果を公表しましたが、同年度のふるさと納税による寄附件数は2322万3826件(対前年度比34.2%増)、その寄附額は5127億634万円(同40.3%増)とともに前年度同様大幅増加となり過去最高を更新したことが分かりました。総務省による返礼品への規制強化に伴い、駆け込み需要が寄付額を押し上げたと思われます。

■====== 4; 広報・リーフレット ===========

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年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入や所得額が一定額以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給されるものです。年金生活者支援給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書の提出が必要です。なお、支給要件に該当しない場合は支給されません。

■====== 5; お役立ちアンサー ===========

検討会が公表した「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方」報告書
厚生労働省の「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」は、「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する報告書」をとりまとめ、公表しました。この検討会は、未来投資戦略2018で「副業・兼業を通じたキャリア形成を促進するため、実効性のある労働時間管理等の在り方について、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、労働政策審議会等において検討を進め、速やかに結論を得る」とされたことなどを踏まえて設置されたものです。
これまでに9回にわたり検討が重ねられてきましたが、その検討の結果が報告書としてとりまとめられました。報告書では、主に、労働者の健康管理、時間外労働の上限規制、割増賃金という観点から、今後の方向性として考えられる選択肢の例示が整理されています。

一.健康管理について
・労働安全衛生法では、複数の事業者間の労働時間を通算する こととされていないが、副業・兼業を行う労働者の健康確保の観点から、新たに、労働者の自己申告を前提に、各事業者が通算した労働時間の状況(例:月の総労働時間)を把握することも考えられる(ただし、副業・兼業は労働者のプライバシーに配慮する必要があること、事業者を跨がることから、労働者自身による健康管理も重要になると考えられる)。
・健康確保措置に係る制度の見直しの方向性としては、例えば、以下のようなことが考えられる。
1-1 事業者は、副業・兼業をしている労働者について、自己申告により把握し、通算した労働時間の状況などを勘案し、当該労働者との面談、労働時間の短縮その他の健康を確保するための措置を講ずるように配慮しなければならないこととすること(公法上の責務)。
1-2 事業者は、副業・兼業をしている労働者の自己申告により把握し、通算した労働時間の状況について、休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えている時間が一月当たり八十時間を超えている場合は、労働時間の短縮措置等を講ずるほか、自らの事業場における措置のみで対応が困難な場合は、当該労働者に対して、副業・兼業先との相談その他の適切な措置を求めることを義務付けること。また、当該労働者の申出を前提に医師の面接指導その他の適切な措置も講ずること。
2 通算した労働時間の状況の把握はせず、労働者が副業・兼業を行っている旨の自己申告を行った場合に、長時間労働による医師の面接指導、ストレスチェック制度等の現行の健康確保措置の枠組みの中に何らかの形で組み込むこと。
  ※なお、労働時間の上限規制や割増賃金などにおける選択肢により、健康管理の在り方も変わりうることに留意。

二.時間外労働の上限規制について
・通算を行うために、複数の事業場の労働時間を日々厳密に管理することは、企業にとって、実施することが非常に困難な場合が多い。この結果として、
1 違法状態が放置され労働基準法に対する信頼性が損なわれかねないこと
2 労働者が保護されない事態になりかねないこと等を踏まえ、制度の見直しの方向性としては、例えば、以下のようなことが考えられる。
○労働者の自己申告を前提に、通算して管理することが容易となる方法を設けること(例:日々ではなく、月単位などの長い期間で、副業・兼業の上限時間を設定し、各事業主の下での労働時間をあらかじめ設定した時間内で収めること)。
○事業主ごとに上限規制を適用するとともに、適切な健康確保措置を講ずることとすること。
 ※その他、労働者自身が月の総労働時間をカウントし、上限時間に近くなったときに各事業主に申告すること等も考えられる。

三.割増賃金について
・日々、他の事業主の下での労働時間を把握することは、企業にとって、実施することが非常に困難であって、結果として、
1 違法状態が放置され労働基準法に対する信頼性が損なわれかねないこと
2 別の事業主の下で働く場合に、労働時間を通算して割増賃金の支払い義務があることが、時間外労働の抑制機能を果たしていない面もあること等を踏まえ、例えば、以下のような制度の見直しが考えられる。
○労働者の自己申告を前提に、通算して割増賃金を支払いやすく、
 かつ時間外労働の抑制効果も期待できる方法を設けること
 (例:使用者の予見可能性のある他の事業主の下での週や月単位などの所定労働時間のみ通算して割増賃金の支払いを義務付けること)。
○各事業主の下で法定労働時間を超えた場合のみ割増賃金の支払いを義務付けること。
 ※その他、割増賃金の支払いについて、日々計算するのではなく、計算・申告を簡易化すること等も考えられる。

2019年9月20日