マガジン

石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.165

 このたびの武漢コロナ感染パンデミックでは日本中世界中がとんでもなく大変なことになってしまいました。緊急事態宣言が発令される前の石川県では観光客ウエルカムの態度だったせいか、金沢市での感染率が全国トップレベルとなり極めて危険な状況に陥っています。
 私どもの事務所では三密のリスクを避けながらも給料計算など先延ばしのできない業務を抱えて従業員の雇用確保に向けた相談にも対応を求められていることから、スタッフの休業やテレワークへの移行に積極的に取り組むまでには至っていません。むしろ、雇用調整助成金などできる限りのサポートをすることが私どもの役割と考えて、電話やメールがメインになることと思いますが、制約は多くなっても業務は継続するつもりでこの困難な局面に対応していきます。自分自身が感染しないことは勿論ですが、それ以上に、周囲の人に感染させないことが求められています。いま置かれた立場を考えお互いに意識を高めながら目の前の難局を乗り切っていきたいと思います。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1<<<<< ワンポイントクイズ
     ;テレワークを行う際の留意点
2<<<<< 今月のお知らせ
     ;雇用調整助成金個別相談会
3<<<<< 気になるニュース
     ;「働き方改革推進支援助成金」リーフレットを公表
     ;新型コロナQ&A令和2年4月17日時点版を公表
     ;令和2年度雇用関係助成金パンフレットを公表
     ;国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げ
     ;新型コロナウイルス感染症に関する融資制度の拡充
     ;令和2年4月1日より現物給与価額(食事)が改正
     ;厚生労働省関係の主な制度変更(令和2年4月)
     ;「新型コロナによる労働者の休業等」リーフレット更新
4<<<<< 広報・リーフレット
     ;テレワークQ&A
     ;武漢コロナ雇調金の緊急対応ガイド簡略版
     ;両立支援等助成金 (育児休業等支援コース)
5<<<<< お役立ちアンサー

■====== 1; ワンポイントクイズ =============

Q:テレワークを行う際の留意点は?
A:  (答えは巻末をご覧下さい)

■====== 2; 今月のお知らせ ===============

_____________________
雇用調整助成金に関する個別相談会(石川県)

1.場所:石川県本多の森庁舎(金沢市石引4-17-1)
     5月22日(金) 5月28日(木)
2.場所:金沢商工会議所(金沢市尾山町9-13)
     5月11日(月) 5月18日(月) 6月8日(月) 6月12日(金)
3.場所:小松商工会議所(小松市園町ニ1)
5月8日(金) 5月20日(水) 6月2日(火) 6月15日(月)
4.場所:七尾商工会議所(七尾市三島町70-1)
5月14日(木) 5月22日(金) 6月4日(木) 6月12日(金)
5.場所:輪島商工会議所(輪島市河井町20-1-1)
5月18日(月) 6月1日(月)
6.場所:加賀商工会議所(加賀市大聖寺菅生ロ17-3)
5月12日(火) 5月22日(金) 6月3日(水) 6月10日(水)
7.場所:白山商工会議所(白山市西新町159-2)
5月26日(火) 6月26日(金)
8.場所:能美市商工会(能美市寺井町ヨ47)
5月8日(金) 6月3日(水)
9.場所:山中商工会(加賀市山中温泉西桂木町ト15-1)
6月11日(木)
10.場所:川北町商工会(川北町壱ツ屋93)
5月14日(木)
11.場所:鶴来商工会(白山市鶴来下東町カ26)
5月21日(木)※ 5月22日(金)※
12.場所:美川商工会(白山市美川中町ソ58)
6月8日(月)※ 6月9日(火)※
※いずれか一日の開催予定
5月13日(水)※ 5月14日(木) ※5月15日(金)※
   ※上記のうち、いずれか一日の開催予定
13.場所:野々市市商工会(野々市市白山町8-16)
6月18日(木)※ 6月19日(金)※
※いずれか一日の開催予定
■====== 3; 気になるニュース ===============

______________________________________
「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コース リーフレットを公表

令和2年4月1日施行の「労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令」により、これまでの「時間外労働等改善助成金」が「働き方改革推進支援助成金」に改められ、新たなコースとして「労働時間短縮・年休促進支援コース」が設けられました。これを受けて、厚生労働省から、労働時間短縮・年休促進支援コースを紹介するリーフレットが公表されました。 このコースは、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を助成するものです。

___________________________________
新型コロナウイルス対策 企業の方向けQ&A令和2年4月17日時点版を公表

厚生労働省では、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を公表していますが、これの令和2年4月17日時点版が公表されています。刻々と変化する状況に、更新頻度も高くなっていますので、今一度Q&Aに目を通しておきましょう。企業としての対応はデマなどの情報に踊らされず、正確な情報を元に正しい行動を選択できるようにしましょう。

__________________________________
★令和2年度の雇用関係助成金全体のパンフレット 簡略版・詳細版を公表

厚生労働省から、雇用関係助成金全体のパンフレットとして、「令和2年度 雇用・労働分野の 助成金のご案内 (簡略版)」および「令和2年度 雇用・労働分野の助成金のご案内 (詳細版)」が公表され、令和2年度予算に基づく最新の雇用・労働分野の助成金が紹介されています。まず、簡略版で全体像をチェックしたのち、詳細版で確認するのがおすすめです。案内のPDFには「雇用関係助成金」検索表がついていますので、自社で使える助成金を探すのに便利です。

_____________________
国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げ

 国家公務員の定年の引き上げを盛り込んだ「国家公務員法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出されました。その資料が内閣官房から公表されています。この改正法案は、平均寿命の伸長や少子高齢化の進展を踏まえ、知識、技術、経験等が豊富な高齢期の職員を最大限に活用するため、現行60歳の定年を段階的に引き上げて65歳とするなどの改正を行おうとするものです。

____________________________
新型コロナウイルス感染症に関する融資制度の拡充について

日本政策金融公庫では、「新型コロナウイルス感染症対策本部」による「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策(第2弾)」の発表に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業・小規模事業者向けに、融資制度において、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の創設など制度を拡充し、令和2年3月17日から同制度による融資を開始し、すでに相談を受け付けています。

_______________________
令和2年4月1日より現物給与価額(食事)が改正

「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」の一部を改正する告示が公布され、令和2年4月1日から、「食事で支払われる報酬等」に係る現物給与の価額が改正されます。この改正について、日本年金機構からも公表がありました。標準報酬月額の決定・改定の際に、現物給与として処理している食事代がある企業では、必ずチェックしておく必要があります。

____________________________________
新型コロナウイルス対策-申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQを公表

国税庁から、「新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」が公表されています。同庁では、申告所得税等の確定申告について、申告・ 納付期限を一括延長するなどの措置を講じているほか、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方には納税の猶予制度を案内するなどの対応を行っています。「当面の申告や納税などに関して寄せられた質問等を、FAQとして取りまとめましたので、参考としてください」と公表されておりますので、ご確認することをお勧めします。

__________________________
厚生労働省関係の主な制度変更(令和2年4月)について

 厚生労働省では、年度の始めや半ばに、同省関係の主な制度変更を表にまとめて公表しています。
この度、「令和2年4月からの厚生労働省関係の主な制度変更」が公表されております。令和2年4月からの制度変更の主なものは、「中小企業への時間外労働の上限規制の適用」、「同一労働同一賃金の実現に向けたパートタイム・有期雇用労働法の改正(大企業)」、「同一労働同一賃金の実現に向けた労働者派遣法の改正(企業規模問わず)」が重要といえますが、その内容・関係リンクも紹介されています。その他、年金関係や医療関係などにおいても制度変更が行われますので、主な制度変更の内容を、今一度、確認することをお勧めします。

______________________________________
「新型コロナウイルス感染症の影響による労働者の休業等について」リーフレットを更新

 厚生労働省から、「新型コロナウイルス感染症の影響による労働者の休業等について」として、助成金の内容などをまとめたリーフレットが公表されていますが、そのリーフレットが更新されています。リーフレットでは、「企業の皆さま、今回ご紹介する各種助成金制度等を是非活用いただき、新型コロナウイルスの影響を受ける労働者の皆様が休みやすい環境整備にご協力をお願いします。」として、次の助成金の内容を紹介しています。

■====== 4; 広報・リーフレット =============

________
テレワークQ&A

テレワークは、ICT(情報通信技術)を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方であることから、働き方改革の一環として注目されています。テレワークの効果には、育児等と仕事の両立や時間の有効活用といったワーク・ライフ・バランスの実現、優秀な人材の確保、生産性の向上、コスト削減、BCP(事業継続の確保)対策などがあります。

____________________
武漢コロナ雇調金の緊急対応ガイド簡略版

このガイドブックは、緊急対応期間(令和2年4月1日~6月 30 日)に 休業を実施した場合についての支給要件や助成額、申請方法等をわかりやす く記載した簡易版です。 その他の期間に休業を実施した場合は助成額等が異なります。 このほか、教育訓練を実施した場合等、出向者を休業させた場合等については、通常版のガイドブックを参考にしてください。

_____________________
両立支援等助成金 (育児休業等支援コース)

労働者に育児休業を取得させ、職場復帰させた事業主に対して助成されます。
【1】 育休取得時、次のいずれにも該当すること
1. 育休復帰支援プランを作成し、対象者の育児休業(産前・産後休業から引き続き育児休業を 取得する場合は産前休業開始日までに業務の引き継ぎを実施すること
2. 3カ月以上の育児休業を取得すること(産後休業を取得する場合は産後休業を含めて3カ月以上)
【2】 職場復帰時、次のいずれにも該当すること
1.育休取得時の支給を受けていること
2.育児休業終了後、原職等に復帰させ、引き続き6ヵ月以上継続して雇用していること
【3】 代替要員確保時、次のいずれにも該当すること
1. 育児休業者の職務の代替要員を確保したこと
2. 育児休業終了後、原職等に復帰させ、引き続き6ヵ月以上継続して雇用していること
【4】 職場復帰後支援について、次のいずれかの制度を規定し、育児休業復帰者に復帰後6ヵ月以内に 利用させていること
1. 子の看護休暇制度(20時間以上の利用実績があること)
2. 保育サービス費用補助制度(3万円以上の補助実績があること)

■====== 5; お役立ちアンサー ==============

『テレワークを行う際の留意点は?~安全衛生の側面から~』
────────────────────────────

今般の新型コロナウイルス感染症の予防対策として、「初めてテレワーク(※)を実施することになった」という企業様も少なくないことと思われます。

 ※テレワークとは、インターネットなどの情報通信技術を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方で、自宅や会社から離れたところで仕事をする働き方です。

テレワークを行う際には、労働時間管理や作業効率、上司・同僚とのコミュニケーションなど、様々な課題が出て来ますが、触れられる事の少ない「安全衛生対策」について取り上げてまいります。

会社としては、テレワークを実施する場合でも、労働者の作業環境や健康に配慮しなければなりません。

総務省の「平成30年通信利用動向調査(令和元年5月31日)」によりますと、テレワークを実施していると回答した方のうち61.9%が在宅での勤務となっています。(複数回答可)

上記の方が、自宅でパソコンを使用しながら仕事をすることが多くなるわけですが、ここで問題となるのが「VDT作業に関する労働衛生管理対策」です。

VDT作業とは、ディスプレイやキーボード等の機器(Visual Display Terminals)を使用して、データの入力、文章や画像の作成・編集、プログラミングなどを行う作業のことですが、眼精疲労、首や肩のこり、腰痛、腱鞘炎、疲労感の蓄積といった健康への影響が懸念されています。

昨年7月には、厚生労働省より新たな「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が出されており、次のような点に留意することとされています。

(一部抜粋)

・照明および採光
(1)室内は、できるだけ明暗の対照が著しくなく、まぶしさを生じさせないようにすること。

(2)ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上およびキーポード上における照度は300ルクス以上とすること。
  また、ディスプレイ画面の明るさ、書類およびキーボー ド面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく少なくすること。

(3)ディスプレイ画面に直接また間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインドまたはカーテン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。

・グレア(※)の防止
(1)ディスプレイについては、必要に応じて次に掲げる措置を講ずること等により、グレアの防止を図る。

(2)ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を 調整させること。

(3)反射防止型ディスプレイ画面を用いること。

 ※グレアとは、不快感や物の見えにくさをともなうまぶしさのこと。眩輝(げんき)、眩惑(げんわく)。

・騒音の低減措置
 VDT機器および周辺機器から不快な騒音が発生する場合には、騒音の低減措置を講ずること。

・その他
 換気、温度および湿度の調整、休憩等のための設備等について事務所衛生基準規則に定める措置等を講ずること。

会社内であれば、これらのことに配慮しやすい環境にありますが、それぞれの労働者の自宅となると、なかなか把握・管理はしづらい状況です。

繰り返しになりますが、労働者がテレワークを行う場合であっても、会社は、その作業環境や健康に配慮しなければなりません。

テレワーク実施前には「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に基づき、労働者に作業環境のアンケートを取ったり、チェックシートを配布するなどの対策が考えられます。

2020年4月20日