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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.166

お旅まつりで賑わうはずの5月の小松ですが、今年は開催が見送られ、事務所のある駅周辺はいつもと比べても寂しい雰囲気です。とは言え、飲食店は少しずつ営業を再開し始め、ランチの張り紙が目につくようになってきました。まだまだ暫くはテイクアウトが続きそうで、県外からの来訪にウエルカムという状態ではないものの、そろそろ安心して出掛けることのできる日が来て欲しいものです。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1<<<<< ワンポイントクイズ
     ;テレワークの休憩時間
2<<<<< 今月のお知らせ
     ;【動画解説】武漢コロナ感染症助成支援
     ;コロナ感染症の相談窓口
3<<<<< 気になるニュース
     ;雇調金の特例措置の更なる拡大
     ;過重労働解消キャンペーン実施結果
     ;コロナ便乗商品の送り付け
     ;厚生年金保険料・労働保険料の納付を猶予
     ;コロナ感染症緊急経済対策税制措置
     ;コロナ対策業種別支援策リーフレット公表
4<<<<< 広報・リーフレット
     ;雇用調整助成金中小企業特例拡充
     ;働き方改革推進支援助成金(テレワーク)
     ;働き方改革推進支援助成金(職場意識改善)
5<<<<< お役立ちアンサー

■====== 1; ワンポイントクイズ ==============

Q:テレワークの休憩時間を少なくして良いか?
A:  (答えは巻末をご覧下さい)

■====== 2; 今月のお知らせ ==============

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【動画解説】武漢コロナ感染症助成支援

全国社会保険労務士会連合会ホームページでは新型コロナウイルス感染症対応のため、休業等の対応を余儀なくされた経営者・人事労務担当者の皆様へ、政府が発表している関係助成金等について、「人事・労務のプロ」である社労士が詳しく解説した動画を公開しております。ぜひご覧ください。

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新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口(石川県)

〇緊急事態措置に関すること
〇事業に関すること
〇生活に関すること
〇運転免許に関すること

■====== 3; 気になるニュース =============

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雇調金の特例措置の更なる拡大・中小の助成率100%などの実施が決定

 令和2年4月25日に、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大についてお知らせがありましたが、同年5月1日、この拡充について関係省令が公布されました。今回の拡充の概要は次のとおりです。
(1)中小企業が都道府県知事からの休業要請を受ける等、一定の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を特例的に100%とします。
(2)(1)に該当しない場合であっても、中小企業が休業手当を支給する際、支払率が60%を超える部分の助成率を特例的に100%とします。

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令和元年度11月「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表

 厚生労働省から、「令和元年度11月「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果」が公表されました(令和2年5月1日公表)。この重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施されるものです。今回公表されたのは、令和元年11月に8,904事業場に対して実施された重点監督の結果です。その結果、6,707事業場(全体の75.3%)で労働基準関係法令違反が認められたということです。

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新型コロナウイルス感染症に便乗した身に覚えのない商品の送り付けに注意

 政府によるマスクの配布開始に合わせて、全国各地で見に覚えのないマスクが宅配便などで送付されてくるとの相談が寄せられています。4月13日までに消費者庁に寄せられた相談のうち151件がマスク等の送り付けに関するもので、見に覚えがなくても家族が注文したのだろうと慌てて振り込む事態が想定されるとしています。ただ送り付けられるだけで代金の請求が無い例も多いとされます。消費者庁や警察では慌てずに相談してほしいと呼びかけています。

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厚生年金保険料・労働保険料の納付を猶予

 厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、厚生年金保険料や労働保険料等の納付を納付猶予する特例を実施することを明らかにしている。これらの特例の実施については、国税に係る関係法案が国会で成立することが前提となります。新型コロナウイルス感染症の影響により、事業等に係る収入に相当の減少があった事業主は、申請により、1年間、特例として厚生年金保険料等の納付を猶予することができるようになるものです。この納付猶予の特例が適用される場合、担保の提供は不要となり、延滞金もかかりません。

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新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置

令和2年4月20日に閣議決定された新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置(案)では、新型コロナウイルス感染症が国社会経済に与える影響が甚大なものであることに鑑み、感染症及びその蔓延防止のための措置の影響により厳しい状況に置かれている納税者に対し、緊急に必要な税制上の措置を講ずることとしています。なお、これらの特例の実施については、関係法案が国会で成立すること等が前提となります。詳細については、決まり次第、順次、情報を更新してお伝えするということです。

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新型コロナウイルス対策 業種別支援策リーフレットを公表

中小企業庁は、新型コロナウイルス感染症の影響で足下の経営課題でお困りの事業者の皆様に新たな給付金制度の創設をはじめとする各種支援制度をわかりやすく紹介するため、業種別支援策リーフレットを作成しました。問合せの多い9業種(「飲食業」、「製造業」、「卸売業」、「小売業」、「宿泊業」、「旅客運輸業」、「貨物運輸業」、「娯楽業」、「医療関係」)について、各々の業種で利用できる支援策がまとめられています。

■====== 4; 広報・リーフレット =============

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雇用調整助成金中小企業特例拡充

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業を対象として、雇用調整助成金の特例が拡充されます。

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働き方改革推進支援助成金(コロナ対策テレワークコース)

今般の新型コロナウイルス感染症対策の1つとして、テレワークの新規導入に取り組む中小企業事業主を支援するための助成金です。

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働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)

今般の新型コロナウイルス感染症対策の1つとして、特別休暇制度を新たに整備の上、特別休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援するための助成金です。

■====== 5; お役立ちアンサー ============

『テレワークの労働時間管理~休憩時間を少なくして良いか?~』
先月に続いて、テレワークに関するコラムの第二段です。

 ※テレワークとは、インターネットなどの情報通信技術を活用した、場所にとらわれない柔軟な働き方で、自宅や会社から離れたところで仕事をする働き方です。

新型コロナウイルス感染症対策として、初めてテレワークに取り組んでいる企業様も少なくないと思われます。
 ※総務省の「平成30年通信利用動向調査(令和元年5月31日)」によりますと、テレワークを実施していると回答した方のうち61.9%が在宅での勤務となっています。

初めて在宅勤務を命じる場合には、
「仕事中に手を休めがちになるのではないか」
「家事や雑用をしつつ、ちょくちょく休憩しているのではないか」
という疑念が生じがちです。

そういう思いから、「在宅勤務では休憩時間は短くしても良いのではないですか?」という質問を受けることがあります。

結論をお話しすると、在宅勤務を行う場合でも、会社で働く場合と同様に、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、労働時間が8時間を超える場合は60分以上の休憩を与えなければなりません。

なお、労働時間(休憩時間)の管理については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が出されており、適切な労働時間の管理の方法として、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録によること等が挙げられています。

労働者のパソコンの操作内容を会社から把握できる場合はそれで良いですし、クラウド勤怠管理システムを導入している場合にはそのまま使用できるでしょう。

アナログな手法でよく用いられているのは、始業・就業の際や、休憩開始・休憩終了の際に、労働者からEメールや電話をもらうというやり方です。

また、勤務時間中の在籍・離籍確認については、「携帯電話を常につながる状態にしておくことと」とルール化したり、会社が貸与するノートパソコンの操作ログを確認すること、情報共有ツールやチャットツールで作業の進捗を随時確認することなどが挙げられます。

ここまで労働時間管理の概要だけを述べてきましたが、これだけでも、幾つかの取り決め・仕組み作りをしなければならないことがお分かりいただけたかと思います。

他にも、先月解説しました在宅勤務者の安全衛生管理や、人事評価をどうするか、通信費の負担をどうするかなど、取り決めが必要な事項は複数あります。

今般は、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを実施されているケースが多いと思われますが、ここで取り決め・仕組み作りがしっかりできてしまえば、以後は、大規模な災害が発生した際や、育児・介護を行う社員が出た際に、スムーズにテレワークに移行することができ、会社にとって大きな財産になります。

5/14には多くの県において緊急事態宣言が解除されるとの発表がありましたが、対象となっている地域もまだ8都道府県あります。まだまだ通常業務に戻るまでには時間がかかると思われますが、業務が落ち着いた際に、自社に合った形でのルール化を進めてみてはいかがでしょうか。

2020年5月20日