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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.170

9月に入って暑い日が続くと思っていたところ、事務所のエアコンがダウンしてしまいました。良くか悪くか私が事務所を留守にしていた日に台風が日本海に入り、南から山を越えて熱い風が部屋の窓に吹き付けていたようです。暑くて仕事にならず週末までには急いで取替修理を済ませてもらいましたが、コロナ感染防止対応の機材は間に合わず助成金の対象からは外れた機種だと言われました。流行りの助成金申請は事後でも差し支えないとのことでしたが、残念なことにコロナ対応の後付けは出来ず、助成金には乗り損ねたようです。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1 <<<<< ワンポイントクイズ
      ;コロナ濃厚接触の申告義務?
2 <<<<< 今月のお知らせ  
      ;シンプルな給料計算セミナー
      ;求人募集と採用のセミナー
      ;就業規則のつかい方のセミナー
3 <<<<< 気になるニュース 
      ;副業・兼業の促進ガイドライン
      ;マイナ還元ポイントは非課税
      ;個人情報保護ガイドラインQ&A
      ;最賃引上全国加重平均額は902円
      ;労災保険の障害認定基準にパワハラ
      ;コロナ感染拡大防止チェックリスト改定
4 <<<<< 広報・リーフレット
      ;働き方改革推進支援助成金
       (労働時間短縮・年休促進支援コース)
      ;働き方改革推進支援助成金
       (コロナ対策勤務間インタバルコース)
      ;働き方改革推進支援助成金(第2弾)
       (コロナ対策テレワークコース)
5 <<<<< お役立ちアンサー

■===== 1; ワンポイントクイズ =============

Q:コロナ濃厚接触の申告義務は?
A: (答えは巻末をご覧下さい)

■===== 2; 今月のお知らせ ==============

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(雇調金対応)シンプルな給料計算セミナー=受講無料

少人数で気楽に参加できるミニセミナーです。雇用調整助成金の受給も意識しながら、給料計算業務が負担に感じる方、給与ソフトを活用できていない方、初めて人を雇った方これから雇う方、などを対象にできるだけシンプルな給料計算の方法をご説明します。
日 時:令和2年9月29日(火) 10:00~11:30
場 所:未定 (WEB会議形式になる可能性があります)
定 員:5名様限定(先着順とさせていただきます)
主 催:石川県よろず支援拠点、石川県産業創出支援機構
申 込:下記から申込書をダウンロードしてお申し込みください
⇒https://www.isico.or.jp/uploaded/attachment/1006824.pdf

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(助成金対応)求人募集と採用のセミナー=受講無料

少人数で気楽に参加できるミニセミナーです。助成金の受給も意識しながら、初めて求人する方、初めて人を雇う方、採用にあたり助成金を活用したい方、などを対象に人の採用が事業の成長につながることを目指してご説明します。
日 時:令和2年10月20日(火) 10:00~11:30
場 所:未定 (WEB会議形式になる可能性があります)
定 員:5名様限定(先着順とさせていただきます)
主 催:石川県よろず支援拠点、石川県産業創出支援機構
申 込:下記から申込書をダウンロードしてお申し込みください
⇒http://www.isico.or.jp/event/index.php?ym=2020%2F10&mode=1

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就業規則のつくり方つかい方のセミナー=受講無料

少人数で気楽に参加できるミニセミナーです。就業規則の使い方も意識しながら、初めて就業規則を作る方、立派な就業規則を眠らせている方、もっと就業規則を活用したい方、などを対象に小規模企業の就業規則の作り方と使い方をご説明します。
日 時:令和2年10月27日(火) 10:00~11:30
場 所:未定 (WEB会議形式になる可能性があります)
定 員:5名様限定(先着順とさせていただきます)
主 催:石川県よろず支援拠点、石川県産業創出支援機構
申 込:下記から申込書をダウンロードしてお申し込みください
⇒http://www.isico.or.jp/event/index.php?ym=2020%2F10&mode=1

■===== 3; 気になるニュース ==============

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「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定

 厚生労働省から、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定したとの公表がありました。このガイドラインの改定により、副業・兼業の場合における労働時間管理及び健康管理についてルールが明確化されます。労働時間管理については、労働者からの自己申告に基づいて、企業が本業と副業の労働時間を通算して管理することを原則としていますが、新たに、企業の負担に配慮した管理モデル(簡便な労働時間管理の方法)が示されています。

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マイナポイント事業スタート 還元ポイントは非課税

 9月1日より、マイナンバーカード所有者を対象とした総務省の「マイナポイント」事業がスタートしています。キャッシュレス決済で買い物をすると1人当たり最大5千円分のポイントが受け取れるというものです。マイナポイント事業は、マイナンバーカード普及に向けた取組みの1つで、来年3月までの7ヵ月間にキャッシュレス決済サービスを提供する決済事業者を通じて電子マネーのチャージ(入金)又はスマートフォンのQRコード決済で買い物をした場合にポイントが付与されるものです。

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個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインに関するQ&Aの更新

 個人情報保護員会から、『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&A』の更新が公表されています。通則編について2つ、匿名加工情報編について1つのQ&Aが追加されています。「利用目的の通知又は公表」についてのもので、「名刺交換により取得した連絡先に対して、自社の広告宣伝のための冊子や電子メールを送ることはできますか。」という問いに対しての回答が記されています。

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40県で最低賃金を引き上げ、答申での全国加重平均額は902円

 厚生労働省は、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が、本日までに答申した令和2年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」という。)を取りまとめました。改定額及び発効予定年月日は下記のとおりです。これは、7月22日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)」などを参考として、各地方最低賃金審議会で調査・審議した結果を取りまとめたものです。
 答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月上旬までの間に順次発効される予定です。

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労災保険の精神障害の認定基準にパワーハラスメントを明示

 厚生労働省では、労働者に発病した精神障害が業務上災害として労災認定できるかを判断するために、「心理的負荷による精神障害の認定基準」を定めています。認定基準では、発病前のおおむね6か月間に起きた業務による出来事について、強い心理的負荷が認められる場合に、認定要件の一つを満たすとなっています。令和2年6月から改正労働施策総合推進法が施行され、パワーハラスメントの定義が法律上規定されたこと等を踏まえ、この認定基準の「業務による心理的負荷評価表」にパワーハラスメントを明示することとされました。

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新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号の指定期間を延長

中小企業庁より、新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号の指定期間を3ヶ月延長するとの公表がありました。新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号の指定期間は令和2年9月1日となっておりますが、全ての都道府県の調査及び要請を踏まえ、期間を3ヶ月延長し、令和2年12月1日まで指定期間を延長することを予定しています。

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職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリストが改定

厚生労働省は、労使団体や業種別事業主団体などの経済団体に対し、改訂された「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止のチェックリスト」などを活用して職場における感染予防、健康管理の強化を図ることを、傘下団体などに向け周知するよう、再度協力を依頼しています。令和2年4月17日、5月14日に引き続き3回目となる協力依頼となりますが、今回は、新型コロナウイルス感染症対策分科会での提案を踏まえたものとなります。
 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、一部地域では感染拡大のスピードが増しているため、新型コロナウイルス感染症対策分科会において、新規感染者数を減少させるための迅速な対応として、事業者に対して、1.集団感染(クラスター)の早期封じ込め、2.基本的な感染予防の徹底が提案されています。

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新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者へ政策金融と国税の取組の案内

 財務省から、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者の皆様へ~政策金融と国税の取組の御案内~【第三版】(令和2年8月時点のお知らせ)」が公表されています。このパンフレットは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で事業の資金繰り等に困難を抱える事業者の皆様へ、政策金融における資金繰り支援策と、国税における納付の猶予制度の内容を案内するものとなっています。

■===== 4; 広報・リーフレット ==============

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働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

働き方改革の推進と共に、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対して助成されます。

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働き方改革推進支援助成金(コロナ対策勤務間インタバルコース)

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るもので、平成31年4月から、制度の導入が努力義務化されています。このコースでは、勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業事業主の皆さまを支援します。

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働き方改革推進支援助成金(第2弾)コロナ対策テレワークコース

新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークの新規導入に取り組む中小企業事業主を支援!2次募集を開始します!!
対象事業主:新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規(※)で導入する中小企業事業主
対象の取組:テレワーク用通信機器(※)の導入・運用、就業規則・労使協定等の作成・変更 等
対象支給額: 補助率:1/2、1企業当たりの上限額:100万円

■===== 5; お役立ちアンサー ===============

Q.新型コロナウイルスへの対策として、マスクの着用を必須とするとともに、家族など同居人に発熱など体調不良者がいる場合には必ず会社に申告することを求めているのですが、従わない社員がいて困っています。社内からクレームもあり、どうしたものか困惑しています。業務命令違反として懲戒処分をするといった対応はできるのでしょうか。
  
A.拒否されたら理由確認を 情報管理を徹底と周知

 会社は社員に対する安全配慮義務を負うほか、職場の秩序を維持する権限を持っていますが、社員の行動に対して一般的支配が生じるわけではありません。社員が守るべきルールを守らず、懲戒する場合、「合理的で社会通念上相当」であることが求められます。懲戒処分は、説得等の手段を尽くしたうえでの最終手段と考えるのが良いと思われます。

 同感染症の拡大を防止するためにマスクを着用することは、厚生労働省などが広く要請していることであり、事業活動の円滑な遂行にも繋がると考えられます。ただし、熱中症予防のための水分補給の重要性などのルールと合わせて周知するとよいと思われます。ただ、社員がマスクを着用しなかったということだけをもって、直ちに懲戒処分に及ぶことは適当ではありません。会社としては、まずその理由を本人に確認すべきで、単に準備できなかった場合などは会社がマスクを支給すべきとも考えられます。そのうえで会社としては、他の社員や顧客・取引先等の抱く心配に配慮することが、会社の業務として求められている、といったことを説明すべきでしょう。

 家族等同居人が感染者となった場合は、社員を濃厚接触者として自宅待機等させなければならないので、同居人が発熱等の体調不良となった際にその旨会社に申告させることには一定の合理性があると考えられます。ただし、プライバシーに関する機微な情報であることから、申告させるに当たってルール作りには注意が必要です。

 会社としては、濃厚接触者を早期に把握して対応する必要性を示すとともに、プライバシーに配慮した情報取扱いをすることを社員に周知することが重要です。例えば、こうした情報は感染症対策という目的の範囲内でのみ利用することを明確にし、誰がどのような権限で取り扱うのか、どのような方法で管理するのか等についてあらかじめ規定して周知するなどです。また、休業手当等の情報を提供し、「安心して申告できる環境」を整備することも大切です。

 同居人の発熱といった情報の申告をしなかったことで懲戒処分を発動するには、本人が就いている職種、本人の行動の態様、もたらしたリスクの程度、会社側が申告しやすい条件を整備していたか等、諸般の事情からみて相当に悪質と認められることが求められるでしょう。
                    (労働新聞社提供)

2020年9月20日