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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.173
今年の冬はエルニーニョ現象で例年より雪が多いとのこと、早めに車検を受けてタイヤ交換を済ませ、生垣の刈込も少し丁寧に縛り上げ、万全とは至らないまでも冬の備えを進めています。気になるのは春の花が間に合わず、ポピーが芽を出しているほかはこぼれ種子を期待するしかないのが残念ですが、思わぬところに花が咲くのが例年の楽しみです。
■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
1 <<<<< ワンポイントクイズ
;高年齢者雇用安定法の改正
2 <<<<< 今月のお知らせ
;ワークライフバランス
;会社を伸ばすヒトの採用と育成
3 <<<<< 気になるニュース
;テレワークのリーフレット
;侵害コンテンツのダウンロード違法化
;テレワーク労働法制の解釈明確化
;小学校休業等対応助成金特別相談窓口
;令和元年分民間給与実態統計を公表
;令和2年度大卒予定者の就職内定状況
;障害者の法定雇用率が引上げ
;これからのテレワーク実態調査速報
4 <<<<< 広報・リーフレット;業務改善助成金
;人材確保等支援助成金
5 <<<<< お役立ちアンサー
■====== 1; ワンポイントクイズ =============
Q:高年齢者雇用安定法の改正の内容は?
A: (答えは巻末をご覧下さい)
■====== 2; 今月のお知らせ ==============
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●小規模企業のイノベーションはワークライフバランス
どんな仕事も人がいてできることです。働く環境を整備し気持ちよく働くことで、仕事と生活が相乗効果をもたらして仕事も生活も好循環を生みます。多様な働き方を積極的に許容して、いきいきとした職場づくりを考えてみませんか。
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●会社を伸ばすヒトの採用と育成
どんな仕事も人がいてできることです。人を採用して育成することはお金と時間がかかることですが、事業を伸ばすためには最も効果的な投資ともなります。このセミナーで、無理なく計画的な人の採用と育成を考えてみませんか。
■====== 3; 気になるニュース ============
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★テレワークを実施するに当たってのリーフレットを公表
厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大していることを踏まえ、職場における感染予防、健康管理の強化に関する協力を依頼しています。テレワークや時差出勤の一層の活用を図る観点から、テレワークを実施するに当たっての留意事項や、参考資料などをわかりやすくコンパクトにまとめたリーフレットを作成し、テレワークの効果、実施までの流れ、実施に向けての検討事項、セキュリティのチェック、ルールの確認(労務管理)、作業環境のチェック等のポイントや各種テレワーク実施に当たっての参考資料を整理しています。
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★令和3年1月、侵害コンテンツのダウンロード違法化等の改正著作権法
「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律」が公布されています。
本法律による改正事項のうち、
1.リーチサイト※対策及び写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大など著作物利用の円滑化を図るための措置については、令和2年10月1日から、
2.侵害コンテンツのダウンロード違法化及びアクセスコントロールに関する保護の強化など著作権の適切な保護を図るための措置については、令和3年1月1日から、
3.プログラム登録に関する新たな証明制度の創設については、公布から1年以内で、政令で定める日から施行されることとなっています。
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★成長戦略会議が「テレワークの定着に向けた労働法制の解釈の明確化」実行計画をとりまとめ
令和2年12月「第5回 成長戦略会議」が開催され、「雇用の維持と労働移動の円滑化」、「テレワークの定着に向けた労働法制の解釈の明確化」、「新しい働き方の実現」人への投資の強化などが盛り込まれた実行計画(案)について議論が行われ取りまとめられました。今後、この実行計画を実行に移すとともに、最終とりまとめに向けて、与党の意見等も聞きながら、議論を行っていくこととしています。
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★新型コロナウイルス感染症による「小学校休業等対応助成金に係る特別相談窓口」を開設
厚生労働省から、「小学校休業等対応助成金」に関する相談に対応するため「特別相談窓口」を全国の都道府県労働局に設置するとの案内が公表されています。
「小学校休業等対応助成金」は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として小学校などが臨時休業した場合などに、その小学校などに通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対して支給されるものです。
9月30日までの休暇についての申請期限が12月28日(必着)、12月31日までの休暇についての申請期限は令和3年3月31日となっています。
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★「令和元年分民間給与実態統計調査 統計表」等を公表
国税庁から「令和元年分民間給与実態統計調査結果について」が公表されています。この調査は昭和24年分から始まり今回が第71回となります。令和元年12月31日現在の給与所得者数は、5,990万人(対前年比1.3%増、78万人の増加)。また、令和元年中に民間の事業所が支払った給与の総額は231兆6,046億円(同3.6%増、8兆563億円の増加)で、源泉徴収された所得税額は11兆1,395億円(同0.7%増、744億円の増加)。となっていますなお、給与総額に占める税額の割合は4.81%です。
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★令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)
厚生労働省と文部科学省では、令和3年3月大学等卒業予定者の就職内定状況を共同で調査し、令和2年10月1日現在、大学生の就職内定率は69.8%(前年同期比7.0ポイント低下)となりました。
厚生労働省と文部科学省では、新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーター※と大学等の就職相談員との連携による新卒者等の就職支援などを行っています。
厚生労働省では、引き続き、関係府省と連携し、新卒者等の雇用に関する施策の推進に努めるとのことです。※新卒者等の就職支援を専門とする職業相談員(キャリアコンサルタント等の資格保持者や企業の人事労務管理経験者等)。
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★2021年3月から障害者の法定雇用率が引上げられます
障害者雇用を促進するため、企業には常用雇用労働者の人数に対し、一定の割合の障害者を雇用する義務が課せられています。この割合のことを法定雇用率と呼び、2021年3月1日より引上げられます。現時点では、民間企業の障害者の法定雇用率は2.2%とされており、常用雇用労働者45.5人以上の企業において1人以上の障害者を雇用する義務が課せられています。これが、2021年3月1日より2.3%へ引上げられ、対象となる企業の範囲が、常用雇用労働者43.5人以上に広がります。
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★これからのテレワークでの働き方実態調査(速報)を公表
厚生労働省から、令和2年11月16日開催の「第4回 これからのテレワークでの働き方に関する検討会」の資料が公表されています。この中で「これまでの御意見について」で挙げられている、意見についていくつかをご紹介します。「テレワークの労務管理等に関する実態調査(速報版)」の結果は、テレワークの実態を把握する上で、参考になると思われます。この検討会での検討結果については、本年(令和2年)冬を目途に、一定の取りまとめを目指すこととしています。
■====== 4; 広報・リーフレット =============
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◆業務改善助成金
『業務改善助成金』は、生産性を向上させ、「事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)」の引上げを図る中小企業・小規模事業者を支援する助成金です。事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)などを行った場合に、その費用の一部が助成されます。
(申請期限:令和3年1月29日)
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◆人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、経費の一部が助成されます。
■====== 5; お役立ちアンサー ============
【高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~】
少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されます。
※この改正は、定年の70歳への引上げを義務付けるものではありません。今回の改正は、個々の労働者 の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、
事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものです。
■高年齢者就業確保措置について
<対象となる事業主>
・定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主
・65歳までの継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く)を導入している事業主
<対象となる措置>
次の1~5のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるよう努める必要があります。
1.70歳までの定年引き上げ
2.定年制の廃止
3.70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
※特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む
4.70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
5.70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
※4、5については過半数組合等の同意を得た上で、措置を導入する必要があります(労働者の過半数を代表する労働組合がある場合にはその労働組合、そして労働者の過半数を代表する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の同意が必要です)。
※3~5では、事業主が講じる措置について、対象者を限定する基準を設けることができますが、その場合は過半数労働組合等との同意を得ることが望ましいです。
※高年齢者雇用安定法における「社会貢献事業」とは、不特定かつ多数の者の利益に資することを目的とした事業のことです。「社会貢献事業」に該当するかどうかは、事業の性質や内容等を勘案して個別に判断されることになります。
※bの「出資(資金提供)等」には、出資(資金提供)のほか、事務スペースの提供等も含まれます。
■高年齢者就業確保措置を講ずるに当たっての留意事項
(高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針)
<全般的な留意事項>
・高年齢者就業確保措置のうち、いずれの措置を講ずるかについては、労使間で十分に協議を行い、高年齢者のニーズに応じた措置を講じることが望ましい。
・複数の措置により、70歳までの就業機会を確保することも可能だが、個々の高年齢者にいずれの措置を適用するかについては、個々の高年齢者の希望を聴取し、これを十分に尊重して決定する必要がある。
・高年齢者就業確保措置は努力義務であることから、対象者を限定する基準を設けることも可能だが、その場合には過半数労働組合等との同意を得ることが望ましい。
・高年齢者が従前と異なる業務等に従事する場合には、必要に応じて新たな業務に関する研修や教育・訓練等を事前に実施することが望ましい。
<基準を設けて対象者を限定する場合>
・対象者基準の内容は、原則として労使に委ねられるものですが、労使で十分に協議した上で定められたものであっても、事業主が恣意的に高年齢者を排除しようとするなど、高齢者雇用安定法の趣旨や他の労働関係法令に反するものや公序良俗に反するものは認められません。
※70歳までの安定した就業機会の確保のため必要があると認められるときは、高年齢者雇用安定法に基づき、ハローワーク等の指導・助言の対象となる場合があります。
2020年12月20日