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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.174

この冬はエルニーニョ現象の影響で雪が多いと予報が出ています。国道や高速道路での車両の立ち往生のニュースが流れるなどして、10センチほどの降雪でも警報が発令された日には除雪車が走り回っています。品切れ状態でサイズよりほか選びようのないゴム長を買い替えて、私も除雪で少し体を動かしましたが、普段よりもビールと風呂を有り難く思いました。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1 <<<<< ワンポイントクイズ
      ;テレワーク実施のポイントは?
2 <<<<< 今月のお知らせ
      ;就業規則のリスクチェック
      ;従業員と役員の退職金セミナー
3 <<<<< 気になるニュース
      ;賞与不支給報告書の新設
      ;年金手続きの押印を原則廃止
      ;報酬月額の特例改定の期間延長
      ;令和3年度税制改正大綱公表
      ;男性の育休の取得促進
4 <<<<< 広報・リーフレット
      ;65歳超雇用推進助成金
      ;両立支援等助成金
      ;人材確保等支援助成金
5 <<<<< お役立ちアンサー

■====== 1; ワンポイントクイズ =============

Q:テレワーク実施にあたってのポイントは?
A:  (答えは巻末をご覧下さい)

■====== 2; 今月のお知らせ ============

就業規則のリスクチェック

会社におけるコンプライアンスやリスクマネジメントが重要視されていますが、その役割を担うのが就業規則です。経営環境の変化に応じて就業規則が変更されているか、自社の就業規則に潜むリスクがないか見直してください。
日 時:令和3年1月26日(火) 10:00~11:30
場 所:WEB会議形式
定 員:5名様限定(先着順) 受講料無料
講 師:丹 保 敏 隆(石川県よろず支援拠点コーディネーター)
申 込:石川県よろず支援拠点 (公財)石川県産業創出支援機構
T E L:076-267-6711 メール:yorozu@isico.or.jp

従業員と役員の退職金セミナー

退職金制度は時代とともに見直しが必要です。問題社員への退職金支払や基本給連動の高額退職金など、企業経営において退職金の見直しは後回しになりがちです。役員の退職慰労金も併せて退職金制度を検討してみませんか。
日 時:令和3年2月2日(火) 10:00~11:30
場 所:WEB会議形式
定 員:5名様限定(先着順) 受講料無料
講 師:丹 保 敏 隆(石川県よろず支援拠点コーディネーター)
申 込:石川県よろず支援拠点 (公財)石川県産業創出支援機構
T E L:076-267-6711 メール:yorozu@isico.or.jp

■====== 3; 気になるニュース ===============

算定基礎届等に係る総括表の廃止及び賞与不支給報告書の新設について

 厚生労働省から、「算定基礎届等に係る総括表の廃止及び賞与不支給報告書の新設について(令和2年12月18日年管管発1218第2号)」という通達が公表されています。そこでは、算定基礎届等の提出の際に添付する総括表を廃止する等の対応を行うこととされています。

年金手続きの押印を原則廃止

 日本年金機構から、「年金手続きの押印を原則廃止します」という案内がありました。令和2年12月25日より、年金手続きの申請・届出様式(https://www.nenkin.go.jp/shinsei/index.html)の押印を原則廃止するということです。ただし、金融機関への届け印、実印による手続きが必要なもの等については、引き続き押印が必要となります。

健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額の特例改定の期間が更に延長

 令和2年4月から12月までの間に新型コロナウイルス感染症の影響による休業により報酬が著しく下がった方について、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定を可能とするとともに、令和2年4月または5月に休業により著しく報酬が下がり特例改定を受けている方についても特例措置が講じられているところです。今般、令和3年1月から令和3年3月までの間に新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴い報酬が急減した方についても、特例改定の対象となりました。

令和3年度税制改正大綱公表

 2020年12月10日自民・公明両党は令和3年度の与党税制改正大綱を決定し公表しました。教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置については、適用期限が2年延長されることや、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の据え置きなどが挙げられています。今後の国会における改正法案審議の過程において、一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性がありますので、ご注意ください。

後期高齢者の自己負担割合、男性の育休の取得促進などの方針を決定

 首相官邸において、12月14日、「第12回 全世代型社会保障検討会議」が開催されました。長年の課題である少子化対策を大きく前に進めるため、本方針において、不妊治療への保険適用の早急な実現、待機児童の解消に向けた新たな計画の策定、男性の育児休業の取得促進といった少子化対策をトータルな形で示すとされています。

テレワークを実施するに当たってのリーフレットを公表

 厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大していることを踏まえ、職場における感染予防、健康管理の強化に関する協力を依頼しています。テレワークや時差出勤の一層の活用を図る観点から、テレワークを実施するに当たっての留意事項や、参考資料などをわかりやすくコンパクトにまとめたリーフレットを作成し、テレワークの効果、実施までの流れ、実施に向けての検討事項、セキュリティのチェック、ルールの確認(労務管理)、作業環境のチェック等のポイントや各種テレワーク実施に当たっての参考資料を整理しています。

令和3年1月、侵害コンテンツのダウンロード違法化等の改正著作権法

 「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律」が公布されています。本法律による改正事項のうち、
1.リーチサイト※対策及び写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大など著作物利用の円滑化を図るための措置については、令和2年10月1日から、
2.侵害コンテンツのダウンロード違法化及びアクセスコントロールに関する保護の強化など著作権の適切な保護を図るための措置については、令和3年1月1日から、
3.プログラム登録に関する新たな証明制度の創設については、公布から1年以内で、政令で定める日から施行されることとなっています。

成長戦略会議が実行計画をとりまとめ
「テレワークの定着に向けた労働法制の解釈の明確化」等を盛り込む

 令和2年12月1日、首相官邸において、「第5回 成長戦略会議」が開催されました。会議では、実行計画(案)について議論が行われ、これが取りまとめられました。今後、この実行計画を実行に移すとともに、最終とりまとめに向けて、与党の意見等も聞きながら、議論を行っていくこととしています。具体的な項目として、人への投資の強化も掲げられており、「雇用の維持と労働移動の円滑化」、「テレワークの定着に向けた労働法制の解釈の明確化」、「新しい働き方の実現」などが盛り込まれています。

「令和元年分民間給与実態統計調査 統計表」等を公表

 国税庁から「令和元年分民間給与実態統計調査結果について」が公表されています。この調査は、民間企業における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的とするものです。昭和24年分から始まり、以後毎年実施され、今回が第71回となります。

令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)

 厚生労働省と文部科学省では、令和3年3月大学等卒業予定者の就職内定状況を共同で調査し、令和2年10月1日現在の状況を取りまとめ、大学生の就職内定率は69.8%(前年同期比7.0ポイント低下)となりました。厚生労働省と文部科学省では、新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーター※と大学等の就職相談員との連携による新卒者等の就職支援などを行っています。厚生労働省では、引き続き、関係府省と連携し、新卒者等の雇用に関する施策の推進に努めるとのことです。

2021年3月から障害者の法定雇用率が引上げられます

 障害者雇用を促進するため、企業には常用雇用労働者の人数に対し、一定の割合の障害者を雇用する義務が課せられています。この割合のことを法定雇用率と呼び、2021年3月1日より引上げられます。また、障害者雇用に関して、今年4月より障害者雇用に関する優良な取り組みを行う中小企業への認定制度が始まっています。

令和3年1月から順次、e-Taxが便利になります

 令和3年1月から順次、e-Taxが使いやすくなるよう改修を進めています。個人利用者の方は、2次元バーコード認証等の導入により、マイナンバーカードが更に使いやすくなるとのことです。法人向けには電子委任状が適用拡大(令和3年5月対応予定)され、個人・法人向けともにe-Tax利用環境が整備されブラウザシェアの高いGoogle Chrome及び最新のMicrosoft Edgeについて、令和3年1月から以下のソフト・コーナーにおいて推奨環境となる予定です。

これからのテレワークでの働き方実態調査(速報)を公表

 厚生労働省から、令和2年11月16日開催の「第4回 これからのテレワークでの働き方に関する検討会」の資料が公表されています。この中で「これまでの御意見について」で挙げられている、意見についていくつかをご紹介します。「テレワークの労務管理等に関する実態調査(速報版)」の結果は、テレワークの実態を把握する上で、参考になると思われます。この検討会での検討結果については、本年(令和2年)冬を目途に、一定の取りまとめを目指すこととしています。

■====== 4; 広報・リーフレット ============

65歳超雇用推進助成金

この助成金制度は、生涯現役社会の実現に向けて、65歳以上への定年引上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換した事業主に対して助成し、高年齢者の雇用の推進を図ることを目的としたもので、3つのコースがあります。

両立支援等助成金

職業生活と家庭生活の両立支援や女性の活躍推進に取り組む事業主を支援する制度です。優秀な人材を確保定着させるために、ぜひこの助成金をご活用ください。職業生活と家庭生活が両立できる“職場環境づくり”のために、以下の取組が支援されます。

人材確保等支援助成金

人材の確保・定着に向けた「魅力ある職場づくり」に取り組む事業主の皆さまが対象の助成金です。厚生労働省では事業主に向けてさまざまなタイプの「人材確保等支援助成金」を提供しています。これらの助成金を受ける際は、都道府県労働局に計画書を提出し認定を受けた上で、各コースが規定する要件を満たす必要があります。

■====== 5; お役立ちアンサー ============

【テレワークを実施するに当たってのリーフレットを公表】
厚生労働省は、テレワークや時差出勤の一層の活用を図る観点から、テレワークを実施するに当たっての留意事項や参考資料などをわかりやすくコンパクトにまとめたリーフレットを作成しました。このリーフレットでは、テレワークの効果、実施までの流れ、実施に向けての検討事項、セキュリティのチェック、ルールの確認(労務管理)、作業環境のチェック等のポイントや各種テレワーク実施に当たっての参考資料を整理しています。以下に、リーフレットより一部抜粋しご紹介します。

テレワークの効果
■企業のメリット
・非常時に感染リスクを抑えつつ、事業の継続が可能
・従業員の通勤負担の軽減が図れる
・優秀な人材の確保や、雇用継続につながった
・資料の電子化や業務改善の機会となった
■労働者のメリット
・通勤の負担がなくなった
・外出しなくて済むようになった
・家族と過ごす時間や趣味の時間が増えた
・集中力が増して、仕事の効率が良くなった
【実施に向けての検討】
1.業務の切り出し
 ・対象作業の選定は「業務単位」で整理することがポイント
 ・テレワークでは難しいと思われる業務についても、緊急事態宣言を受けて、一旦やってみたら意外 にできることがわかったというケースも多い
 ・仕事のやり方を工夫することで一気に進む場合も
■対象者の選定
 業務命令として在宅勤務を命じる場合には、業務内容だけでなく、本人の希望も勘案しつつ、決定しましょう。
■費用負担
 費用負担についてはトラブルになりやすいので、労使でよく話し合うことが必要です。
2.セキュリティのチェック
会社のパソコン(PC)を社外に持ち出す場合には、PCの盗難や紛失による情報漏洩のリスクがあることから、セキュリティ対策のなされたPCやシンクライアントパソコンを貸与するなどの工夫が必要です。
また、自宅のPCを使って業務を行う場合には、ウイルス対策ソフトや最新アップデートの適用などのセキュリティ対策が適切に行われているかを確認する必要があります。
その他、総務省においてテレワークセキュリティに関するガイドラインやチェックリストが公開されています。
3.ルールの確認(労務管理)
■労働時間
在宅勤務などのテレワーク時にも、労働基準法などの労働法令を遵守することが必要です。テレワーク時の労務管理について確認し、ルールを定めましょう。
・労働時間を適正に把握・管理し、長時間労働を防ぐためにも、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻  を確認し、記録しましょう。
・通常の労働時間制、フレックスタイム制のほかに、一定の要件を満たせば事業場外みなし労働時間制なども活用できます。
■安全衛生
・テレワーク中に孤独や不安を感じることがあります。オンライン会議などを活用して、上司・部下や同僚とコミュニケーションをとるようにしましょう。
・なお、業務中の傷病は労災の対象になります。
・過度な長時間労働とならないようにしましょう。
■業績評価、人事管理、社内教育
・在宅勤務を行う労働者について特別の取り扱いを行う場合は、よく確認しましょう。
・新規で採用する場合には、就業場所などについて労働条件の明示が必要です。

2021年1月20日