マガジン

石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.181

 雨のお盆は墓参りに手間取ります。母親と一緒に回ると時間がかかり過ぎると思い、父親の墓と祖父母の母よりほか誘わずに出発しましたがやはり捗りません。雨で風が弱まってきたので何とか火が点くと思って、傘をさして花を供えて線香を立てているうちズボンの尻が濡れ、車に戻ってエアコンの温度を上げながら走っていると靴の中にも水が溜まっていることに気づきました。川の水嵩が増し水害のニュースが流れるなか、今年も墓参りツアーを終えることができました。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1<<<<< ワンポイントクイズ
    ;個別労働紛争へのコロナの影響
2<<<<< 今月のお知らせ  
    ;ワークスタジオ=2021年9月1日=オープン
    ;ヨット試乗会=2021年8月22日(日)10:00ころ~
3<<<<< 気になるニュース 
    ;雇用保険の高年齢被保険者の特例の創設
    ;有期雇用労働者の育児介護休業給付の支給要件緩和
    ;「令和2年労働安全衛生調査」の結果
    ;脳心臓疾患の労災認定基準、約20年ぶりの見直しへ
    ;令和4年1月1日以後電子帳簿保存法Q&Aを掲載
    ;DX時代のプライバシーガバナンスガイドブック
    ;治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)Q&A更新
    ;令和3年度「全国労働衛生週間」を10月に実施
    ;内閣府「電子的な受取証書についてのQ&A」を公表
4<<<<< 広報・リーフレット
    ;働き方改革推進支援助成金(時短・年休支援コース)
    ;人材確保等支援助成金(テレワークコース)
5<<<<< お役立ちアンサー

■====== 1; ワンポイントクイズ ===========

Q:個別労働紛争へのコロナ禍の影響は?
A:  (答えは巻末をご覧下さい)

■====== 2; 今月のお知らせ ============

_____________________
ワークスタジオ=2021年9月1日=オープン

 リモートワークのためのワークブースと
 リモートセミナーのためのセミナースタジオを用意しました。
 自宅でテレワークのためのスペースを確保できない方や、
 社内でリモートセミナーの受講スペースを準備できない場合など、
 ワークブースとセミナースタジオをお気軽にご利用ください。

_________________________
ヨット試乗会=2021年8月22日(日)10:00ころ~12:00ころ

###コロナ感染防止のためこのイベントは中止になりました###
白山市セーリング協会では小型ヨット試乗会を企画しています。
日程:令和3年年8月22日(日)10時00分ころ~
会場:白山市松任海洋センター(白山市相川町2448CCZ松任海浜公園北側)
費用:無料
服装:濡れてもいい服装で、帽子・サングラスは風で飛ばないようにして下さい
※日焼けの防止と飲み物(水分)の準備もご注意をお願いします
※海洋センターでシャワー・更衣室を利用することができます
注意:気象条件その他の事情で中止する場合がありますのでご了承ください
※ライフジャケットを用意しますので乗船の際は必ず着用して下さい

■====== 3; 気になるニュース ===========

________________
雇用保険の高年齢被保険者の特例の創設

「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第125号)」が公布されました。来年(2022年)1月1日より「65歳以上の労働者を対象に本人の申出を起点に、2つの事業所の労働時間を合算して『週の所定労働時間が20時間以上である』ことを基準として雇用保険を適用する制度」が施行されることとなり、省令案には制度の対象者となる要件が公表されています。

____________________
有期雇用労働者の育児介護休業給付の支給要件緩和

「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第126号)」が公布されました。出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずるものです。

____________________
「令和2年労働安全衛生調査」の結果が公表

厚生労働省から、「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)」の結果が公表されました。労働安全衛生調査は、労働災害防止計画の重点施策を策定するための基礎資料及び労働安全衛生行政運営の推進に資することを目的として、周期的にテーマを変えて実施されているものです。令和2年においては、「実態調査」として、事業所が行っている安全衛生管理、労働災害防止活動及びそこで働く労働者の仕事や職業生活における不安やストレス、受動喫煙等の実態について、調査が行われました(前回は平成30年)。

____________________
脳心臓疾患の労災認定基準、約20年ぶりの見直しへ

厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」は、脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する報告書を取りまとめ、公表しました。厚生労働省では、この報告書を受け、速やかに脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、業務により脳・心臓疾患を発症された方に対して、適正な労災補償を行っていくとのことです。脳・心臓疾患の労災認定基準の見直しは約20年ぶりとなります。

_________________
令和4年1月1日以後電子帳簿保存法Q&Aを掲載

令和3年度税制改正による電子帳簿保存制度の見直しに伴い、令和3年7月に新たに電子帳簿保存法一問一答(令和4年1月1日以後保存等を開始する方)が整備され、「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)~令和4年1月1日以後に保存等を開始する方~」が公表されました。このQ&Aの取扱いについては、令和4年1月1日以後に備付けを開始する国税関係帳簿又は保存を行う国税関係書類(スキャナ保存含む)、並びに同日以後行う電子取引について適用されます。新たな問答を作成した他、既存の問答の内容についても所要の整備を行っています。

_______________________
「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.1」

経済産業省、総務省は、「デジタルトランスフォーメーション時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.1」を策定したとの公表がありました。デジタル化の加速により、パーソナルデータの利活用において、プライバシーへの配慮はますます重要になってきており、プライバシーガバナンスの構築は不可欠です。その実践にあたって、参考となる具体的事例を更新しています。

___________________
治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)Q&Aを更新

厚生労働省は、平成28年2月に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を定め、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などの疾病を抱える労働者が治療を受けながら働き続けられるための取組を進めることを推進しています。独立行政法人労働者健康安全機構では、令和3年度産業保健関係助成金「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」について、このコースに関するQ&Aが更新されました。
この「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」は、事業主の方が両立支援コーディネーターの配置と、両立支援制度の導入を新たに行った場合に、助成を受けることができる制度です。職場における治療と仕事の両立支援のためにぜひご活用ください。

____________________
令和3年度「全国労働衛生週間」を10月に実施

厚生労働省は、10月1日(金)から7日(木)まで、令和3年度「全国労働衛生週間」を実施します。今年は、一般公募で募った454作品の中から、本村一生さん(岐阜県)の作品「向き合おう!こころとからだの健康管理」をスローガンに決定しました。また今年は、副スローガンとして、高田俊助さん(兵庫県)の作品「うつらぬうつさぬルールとともにみんなで守る健康職場」を選び、「全国労働衛生週間」を契機に、職場における新型コロナウイルス感染症拡大防止の徹底を呼びかけることとしています。

_______________________
内閣府「電子的な受取証書についてのQ&A」を公表

内閣府ホームページで「電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&Aを掲載しました。」が公表されました。公表された「電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&A」は10ページの資料で、今回の民法改正の趣旨、記録内容、提供方法などとあわせて、問8で、「民法上の受取証書」と「消費税の仕入税額控除の適用を受けるために保存が必要となる請求書等
(以下「区分記載請求書等」という。)」の関係性はどうなっているのか。また、令和5年10月より適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されるが、「民法上の受取証書」と「適格請求書(インボイス)」の関係性について、説明されています。

■====== 4; 広報・リーフレット ============

_______________________________
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

働き方改革の推進と共に、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対して助成されます

____________________
人材確保等支援助成金(テレワークコース)

テレワークに係る制度を新たに整備し、テレワークを実施可能とする取組を行う事業主、所定のテレワーク実績基準及び離職率目標を満たした事業主に対して助成されます!

■====== 5; お役立ちアンサー ============

「個別労働紛争相談件数」から見るコロナ禍の影響は?
─────────────────────────
厚生労働省からこのたび、
「令和2年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。
⇒ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_19430.html
「個別労働紛争解決制度」とは、個々の労働者と事業主との間
の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、
早期に解決を図るための制度です。
解決を図るための手段としては、
1. 都道府県労働局、労働基準監督署、駅近隣の建物に設置され
  たコーナーにおける、専門の相談員による「総合労働相談」
2. 都道府県労働局長による「助言・指導」
3. 紛争調整委員会による「あっせん」
の3つの方法があります。
今回のメルマガでは、「総合労働相談」における『民事上の個別
労働紛争相談』の件数について、焦点を当ててまいります。

各相談内容の総計、内訳については、以下の通りです。
◆令和2年度 民事上の個別労働紛争相談件数
〇総計※       : 347,546件(総計に占める割合)
・いじめ・嫌がらせ  :  79,190件(22.8%)
・自己都合退職    :  39,498件(11.4%)
・解雇        :  37,826件(10.9%)
・労働条件の引き下げ :  32,301件( 9.3%)
・退職勧奨      :  25,560件( 7.4%)
・雇い止め      :  15,056件( 4.3%)
・出向・配置転換   :  10,438件( 3.0%)
・雇用管理等     :  7,651件( 2.2%)
・採用内定取り消し  :  2,387件( 0.7%)
・募集・採用     :  2,193件( 0.6%)
・その他の労働条件  :  55,366件(15.9%)
・その他       :  40,080件(11.5%)
※件数は、延べ合計件数です。
 (1回で複数の内容にまたがる相談等が行われた場合には、
  複数の内容を件数に計上)
「いじめ・嫌がらせ」の件数が、他の相談内容よりも群を抜い
て多い結果となりました。2012年の調査以降、9年連続で最多の
相談件数となっています。
2022年4月1日からは、中小企業にもパワハラ防止法が適用され
ることからも、早急な対処が必要であるということは言うまで
もありません。
しかし、「いじめ・嫌がらせ」は件数こそ多いものの、前年度
の件数と比較してみると、約8,000件(約10%)ほど減少してい
ます。にもかかわらず、相談全体の総計は、前年度よりおよそ
5,000件近く増加しています。
前段の表について、前年度比の増減順で並べ変えた際、次のよう
な結果となります。
◆前年度(令和元年度)件数との増減比順
〇総計※       :前年度比 + 1.3%
・採用内定取り消し  :     +19.6%
・雇い止め      :     +14.8%
・退職勧奨      :     +12.3%
・労働条件の引き下げ :     +10.4%
・解雇        :     + 9.4%
・雇用管理等     :     + 7.7%
・出向・配置転換   :     + 2.7%
・自己都合退職    :     - 1.5%
・いじめ・嫌がらせ  :     - 9.6%
・募集・採用     :     -21.8%
・その他の労働条件  :     + 5.5%
・その他       :     - 2.4%

※延べ合計件数の比較です。
ご覧のように、「雇い止め」「退職勧奨」「労働条件の引き下げ」
が10%以上、次いで「解雇」が9.4%増加していることから、『雇用
の維持』に関係する相談が大幅に増加しています。
さらに、「採用内定取り消し」についても、前年から20%近く増加
しており、「募集・採用」の相談件数が減少していることを加味す
ると、件数こそ少ないものの、『新たな雇用』について、この一年
で状況が大きく悪化し労働紛争の火種となっている現状が、改めて
明確に数値化された結果となりました。
未だ出口の見えないコロナ禍において、経営者様は、常に困難な決
断を迫られています。しかしながら、その様な状況下でも然るべき
準備と対応が出来なければ、さらなるトラブルを招き入れることに
もなります。

2021年8月20日