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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.189
お彼岸の三連休はマンボウ解除前ながら何となく人出が多いようです。年度替わりを前に何かと準備が必要になってきます。事務所業務も錯綜し、育児介護規程の変更やパワハラ防止法・個人情報保護法・公益通報者保護法への対応も必要で、道路交通法がアルコールチェックを盛り込んでいることも気になります。年金の給付やパート加入などの影響も忘れてはなりません。人事総務の担当にとって地味ながら手の抜けない季節が始まりました。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
1 <<<<< ワンポイントクイズ
;外国人を雇用する際の注意点
2 <<<<< 今月のお知らせ
;能美古墳群を巡るジオツアー
3 <<<<< 気になるニュース
;令和4年度税制改正(案)のポイント
;カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
;中堅中小企業が活用できる支援施策
;パワハラ防止措置が中小企業にも義務化
;取引適正化に向けた5つの取組
;アルコールチェック義務化
;令和4年3月分からの健康保険料変更
;令和4年度の雇用保険料率(法案)
4 <<<<< 広報・リーフレット
;両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
;キャリアアップ助成金の見直し
5 <<<<< お役立ちアンサー
■====== 1; ワンポイントクイズ ===========
Q: 外国人を雇用する際の注意点は?
A: (答えは巻末をご覧下さい)
■====== 2; 今月のお知らせ ============
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●能美古墳群を巡るジオツアー
ジオパーク公認ガイド吉田洋さんのガイドで能美古墳群を巡ります。
日 時 令和4年4月16日(土)午前9時から正午まで
場 所 集合:能美ふるさとミュージアム
コース ふるさとミュージアム(和田山)→末寺山
→→→秋常山→西山→和田山→ふるさとミュージアム
参加費 無料(入館料等の実費は各自で負担)
定 員 10人程度まで
申 込 令和4年4月14日(木)まで
その他 コンディションによりコースを変更することがあります
■====== 3; 気になるニュース ===========
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★パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」を公表
財務省ホームページで「パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」」が公表されました。公表された「パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」」は14ページのパンフレットで、「令和4年度税制改正の大綱」(令和3年12月24日閣議決定)及び「所得税法等の一部を改正する法律案」(令和4年1月25日閣議決定)の内容を分かりやすくまとめたものです。法案成立前の内容であることにご留意ください。令和4年度税制改正(案)では、成長と分配の好循環の実現に向けて、多様なステークホルダーに配慮した経営と積極的な賃上げを促す観点から賃上げに係る税制措置を抜本的に強化するとともに、スタートアップと既存企業の協働によるオープンイノベーションを更に促進するための措置を講じます。また、カーボンニュートラルの実現に向けた観点等を踏まえ、住宅ローン控除等を見直します。
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★「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等が公表
厚生労働省は、関係省庁と連携の上、顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)の防止対策の一環として、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」や、マニュアルの概要版であるリーフレット、周知・啓発ポスターを作成、公表しています。マニュアルやリーフレットには、学識経験者等の議論や顧客と接することが多い企業へのヒアリングを踏まえ、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応など、カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを記載しています。いずれも厚生労働省ホームページからダウンロードできますので、企業のご担当者をはじめ、幅広く活用してみてはいかがでしょうか。
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★中堅・中小企業の皆様にご活用いただける3本柱の支援施策が改定
内閣官房から、「中堅企業等の成長促進に関するワーキング・グループでとりまとめている中堅企業等支援パッケージを改訂した」との公表がありました。中堅企業等支援パッケージでは、標記の支援施策を3本柱としており、その詳細を定めたパンフレットの改訂版が公表されています。53ページになるパンフレット目次を一部抜粋してご紹介します。自社で活用できそうな詳細をご確認ください。
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★「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化
令和2年6月1日に「改正労働施策総合推進法」が施行され大企業については、すでに2020年6月よりパワーハラスメント防止措置を取ることが義務化されていますが、これまで努力義務とされていた中小企業にも2022年4月1日からパワーハラスメント防止措置が義務化されます。ここでは中小企業向けに、パワハラに該当する行為や、パワハラ防止法によって義務化された対策措置の内容などについてご紹介します。
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★取引適正化に向けた5つの取組について
「第3回 未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」がオンラインで行われ「取引適正化に向けた5つの取組」が公表されました。中小企業の賃上げ原資の確保や、エネルギー価格・原材料価格の上昇に対応するためにも、下請中小企業に公平・適切に付加価値が共有されるよう、「転嫁円滑化施策パッケージ」の着実な実施に加えて、大企業と下請中小企業との取引の更なる適正化に向け、次の5つの取組を実施していくとのことです。
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★安全運転管理者の業務拡充(アルコールチェック義務化)について
安全運転管理者制度は、一定台数以上の自動車を使用する事業所等において、事業主や安全運転管理者の責任を明確にし、安全な運転を確保するため、道路交通法により定められた制度です。令和4年4月より順次施行される、改正道路交通法施行規則により安全運転管理者の業務が義務化されます。内容を理解するとともに、就業規則や社内規程の整備を行いましょう。
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★令和4年3月分からの健康保険料変更について
令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料が変更されます。介護保険第2号被保険者は40歳から64歳までの方であり、健康保険料率(石川9.89%)に介護保険料率(石川1.64%)が加わります。1円未満の端数がある場合、事業主が給与から被保険者負担分を控除するときに、被保険者負担分の端数が50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円となります。ただし、事業主と被保険者間で特約があるときには、特約に基づき端数処理をすることができます。
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★令和4年度の雇用保険料率(法律案のとおり成立の場合)
厚生労働省によると、令和4年4月1日~9月30日の失業等給付の雇用保険料率を令和3年度と同様とし、令和4年10月1日~令和5年3月31日の失業等給付の雇用保険料率を労働者・事業主負担ともに2/1000引き上げること等を内容とする雇用保険法等の一部を改正する法律案を令和4年2月1日に国会に提出しています。併せて、雇用保険二事業の保険料率(事業主のみの負担)は令和4年4月1日から0.5/1000引き上がることとなります。これにより、一般の事業の場合、令和4年4月1日~9月30日の雇用保険料率は9.5/1000、令和4年10月1日~令和5年3月31日の雇用保険料率は13.5/1000となることとなります。
■====== 4; 広報・リーフレット ===========
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◆両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
労働者に育児休業を取得させ、職場復帰させた事業主に対して助成されます。
受給できる事業主は次のいずれかに該当する雇用保険の適用事業所の中小事業主です。
【1】育休取得時
【2】職場復帰時
【3】代替要員確保時
【4】職場復帰後支援
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◆キャリアアップ助成金の見直し
「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善などの取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。令和4年4月以降、制度の見直しが予定されています。
■====== 5; お役立ちアンサー ===========
外国人を雇用する際の注意点
外国人の方を雇い入れる際には、その方が就労を認められているかどうか確認して下さい。外国人が日本国内に在留して仕事を行うときは、「在留資格」といって日本国内に在留する資格と、その資格によって就くことのできる仕事の内容が細かく分類されています。例えば、「技術・人文知識・国際業務」といった在留資格では、機械工学等の技術者、通訳、語学教師などの職に就くことができます。在留資格の確認は、外国人が所持している在留カードで確認してください。在留資格が留学や就学などの場合は原則として就労は認められていませんが、「資格外活動許可」を得れば、1週28 時間までなどの制限はありますが就労が可能となります。また、在留資格が「永住者」や「永住者の配偶者」などの場合は、就労活動に制限がありません。資格外活動許可は、就労先が風俗営業等でないことの条件があります。
(1週間の可能時間) (教育機関長期休業中の可能時間)
留学生 大学等の正規生 28 時間以内 1日に8時間以内
大学等の聴講生・研究生 14 時間以内 1日に8時間以内
専門学校等の学生 28 時間以内 1日に8時間以内
就学生 1日に4時間以内
雇い入れの際には、国籍を問わず労働条件を明記した書面(労働条件通知書)の交付が必要ですし、労働条件面での国籍による差別は禁止されています。また、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法等の労働関係法令の適用もありますので、適正な労働条件を確保する必要があります。なお、就労が認められていない在留資格で在留している外国人が資格外活動許可を受けずに行う就労活動や、上陸許可を受けずに上陸し、あるいは在留期間を超えて不法残留している外国人が行う就労活動等は「不法就労活動」とされています。
なお、全ての事業主は、外国人労働者の雇用または離職の際に、該当外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等についてハローワークへ届出ることが義務付けられています。(「特別永住者」、「外交」及び「公用」の在留資格の場合は不要です。)外国人労働者を雇い入れるときは、在留資格および在留期限等を確認することで、不法就労の防止につながります。
2022年3月20日