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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.194
豪雨の報道が流れご心配をおかけしました。お気遣いありがとうございます。警報が発令され職員の帰路に不安はありましたが私どもの事務所は無事でした。越水の報道がされた地名に「海」「沖」「江」が残っていることからすると、時間をかけて治水が進み普段の暮らしができる土地になったのだと思います。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
1 <<<<< ワンポイントクイズ
;取締役の第三者に対する責任
2 <<<<< 今月のお知らせ
;社労士事務所における個人情報保護
3 <<<<< 気になるニュース
;改正育児介護休業法Q&A
;特別試験研究費税額控除制度
;外国人実習実施者の監督送検等状況
;節税目的保険商品への対応強化
;個人データの適正な取扱い
;デジタル化情報をワンストップ紹介
4 <<<<< 広報・リーフレット
;両立支援「子育てパパ支援助成金」
;IPA情報セキュリティ対策ガイドライン
;NISC情報セキュリティハンドブック
;外国人材活躍支援パッケージ
5 <<<<< お役立ちアンサー
■====== 1; ワンポイントクイズ ===========
Q: 取締役の第三者に対する責任とは?
A: (答えは巻末をご覧下さい)
■====== 2; 今月のお知らせ ===========
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●社労士事務所における個人情報保護(SRPII認証制度とは)
社労士における個人情報の取扱いは、社労士法において守秘義務が課され、さらに職業倫理の遵守という観点からも適正に取り扱われていることが求められています。個人情報とその保護に対する意識が一層高まり、企業等においても個人情報の取扱基準の策定が急速に進んでいます。社労士会連合会においては、その適正な取扱いを実践していることを「見える化」し、顧問先等からの信用、信頼をより確固たるものにするため、士業で唯一の個人情報保護の認証制度「社会保険労務士個人情報保護事務所認証制度(SRP 認証制度)」を平成20年度に創設いたしました。マイナンバー制度では、個人情報保護法より更に厳しい罰則が設けられており、厳格な安全管理措置を講ずることが求められ、社労士は、委託先として適切な安全管理措置が講じられているか顧問先等から監督される立場となります。こうした状況を踏まえ社労士会連合会では「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に基づき「SRPII認証制度」に刷新しました。SRPII認証事務所として認証された事務所には、認証番号、 認証書及び認証マークの交付がなされます。
■====== 3; 気になるニュース ===========
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★令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&Aが更新
これまでも何度か取り上げてきました、改正育児・介護休業法に関するニュースです。令和3年の通常国会で成立した改正育児・介護休業法は、令和4年4月から段階的に施行されており、令和4年10月からは、出生時育児休業などの主要な規定が施行されます。厚生労働省では、その周知を図るため、専用のページを設けて資料などを公表していますが、その資料の一つである「令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A」が、令和4年7月25日付けで更新されています。
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★経済産業省「(令和3年度版)特別試験研究費税額控除制度ガイドライン」を公表
経済産業省が「(令和3年度版)特別試験研究費税額控除制度ガイドライン」を公表しています。特別試験研究費税額控除制度とは、大学や国の研究機関、また他企業等との共同研究及び委託研究等に要した試験研究費の額に一定の控除率(20%、25%または30%)を乗じて計算した金額を、当該事業年度の法人税額から控除できる制度です。なお、その上限額は、総額型税額控除制度による控除額とは別枠で、法人税額の10%相当額となります。特別試験研究費税額控除制度は、大学や国の研究機関、また他企業等との共同研究及び委託研究等の連携について、特に大きなインセンティブを与える制度となっており、平成5年度税制改正で創設されて以来、オープンイノベーションの促進に資
する施策の一つとして、重要なものとして位置づけられております。
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★外国人技能実習生の実習実施者に対する令和3年の監督指導、送検等の状況を公表
厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が、令和3年に外国人技能実習生(以下「技能実習生」)の実習実施者(技能実習生が在籍している事業場。)に対して行った監督指導や送検等の状況について取りまとめ公表しています。外国人技能実習制度は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図ることにより、企業などでの人材育成を通じた技能等の母国への移転により国際協力を推進することを目的としています。全国の労働局や労働基準監督署は、監理団体および実習実施者に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努めるとともに、労働基準関係法令違反の疑いがある実習実施者に対しては監督指導を実施し、引き続き、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に重点的に取り組み、度重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては、送検を行うなど厳正に対応していくとのことです。
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★節税(租税回避)を目的に販売される保険商品への対応における国税庁との連携強化
金融庁ホームページで「節税(租税回避)を主たる目的として販売される保険商品への対応における国税庁との更なる連携強化について」が公表されました。過度に節税効果を謳った法人保険の販売や募集活動は依然として続いており、対応として、国税庁との連携を更に強化し、商品審査段階及びモニタリング段階での取組を通じて、より一層の保険契約者保護を図ることとするものです。
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★USBメモリ紛失事案を受けた個人データの適正な取扱いについて
今般、地方公共団体から委託を受けた事業者等において、個人データが含まれたUSBメモリを紛失する事案が発生しています。個人情報取扱事業者が個人データを取り扱う場合には、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に則り、個人情報を適正に取り扱っていただく必要があるため、改めて周知するものです。
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★中小企業のデジタル化に役立つ情報をワンストップで紹介!『みらデジ』を開設
経済産業省から、中小企業のデジタル化に役立つ情報をワンストップで紹介するポータルサイト『みらデジ』のオープンについて、お知らせがありました。デジタル化は必要だと思うけれど、どこから手を付ければよいかわからない、どう進めればよいかわからない、といった中小企業の悩みにワンストップで対応するポータルサイトとなっており、このポータルサイトでは、「みらデジ経営チェック」や「みらデジリモート相談」を利用できます。
■====== 4; 広報・リーフレット ===========
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◆両立支援等助成金(出生時両立支援コース「子育てパパ支援助成金」)
両立支援等助成金(出生時両立支援コース「子育てパパ支援助成金」)は、男性労働者が育児休業・育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りの取り組みを行い、実際に利用させた事業主に対して助成されます。
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◆IPA情報セキュリティ対策ガイドライン
中小企業の情報を安全に管理することの重要性について認識いただき、中小企業にとって重要な情報を漏洩・改竄・消失などの脅威から保護するための情報セキュリティ対策の考え方や、段階的に実現するための方策を紹介することを目的としたIPAによるガイドラインです。
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◆NISC情報セキュリティハンドブック
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)による「情報セキュリティハンドブック」です。「サイバーセキュリティってなに?」と思われる方々の基礎知識習得の教材として、研修などで使っていただきたいと記されています。まずは目を通して、セキュリティ全体の地図を描き、できるところから取り組んで下さい。
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◆外国人材活躍支援パッケージ
ジェトロから、高度外国人材活躍推進コーディネーターによる伴走型支援サービスとして、海外展開をめざす中堅・中小企業に対し高度外国人材の受入(準備・採用・育成・定着)を支援するパッケージの案内があります。
■====== 5; お役立ちアンサー ===========
取締役の第三者に対する責任
取締役の任務違反が、株主や会社債権者といった会社以外の第三者に損害を与えることがあります。会社法では、取締役に対して会社以外の第三者に対する特別の責任を認める規定を設け、取締役は、その職務執行について悪意または重過失によって第三者に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を負います。
(1)第三者に対する責任
取締役の責任は、任務を負うべき会社に対するものだけであり、第三者に対しては、民法上の不法行為責任は別として、会社法上の責任は生じないとも考えられます。しかし、取締役の任務違反が株主や会社債権者といった会社以外の第三者に損害を与えることがあります。会社法では、取締役に対して会社以外の第三者に対する特別の責任を認める規定を設けています。取締役は、その職務執行について悪意または重過失によって第三者に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を負います。
(2)立法趣旨
取締役が第三者に対して特別な責任を負うのは、株式会社が経済社会の中で重要な地位を占めており、その活動が取締役の職務執行に大きく左右されるため、取締役の行動一つで第三者が大きな損害を被る危険があるためです。第三者が被る損害としては、取締役の行為から直接受ける損害の他、取締役の行為からまず会社が損害を受け、その結果として第三者が間接的に損害を受ける場合が想定されます。例えば、取締役の任務懈怠によって会社が倒産したため、会社に金銭を貸し付けていた人が貸金の回収が不可能になったような場合が間接損害の例に該当します。
(3)名目的取締役について
名目的取締役についても、他の取締役の不適正な業務執行を放置し、監視する義務を怠って損害を与えたと評価されれば損害賠償責任を負います。また、取締役でないのに取締役として登記され、わざと放置していた場合(不実の登記)や実質的な経営者といえる場合(事実上の取締役)も責任を負うことがあります。
【関連条項】 会社法:第429 条(役員等の第三者に対する損害賠償責任)、第430 条(役員等の連帯責任)
2022年8月20日