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石川県 の 社会保険労務士 丹保から No.201

コロナの規制が緩和されてマスクを外す人も少し出てきました。マスクを外してコロナ感染の武勇伝を語る人がいる一方では花粉症がひどくてマスクだけでは足りず薬を手放せない人も少なくありません。今年の春は、高校でマスクを外したことのない高校生が社会人になる年です。

■目次 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

1<<<<< ワンポイントクイズ
    ;期間を定めた労働契約
2<<<<< 今月のお知らせ  
    ;尾小屋鉱山マインロード見学会
    ;働き方改革から働きがい改革
    ;令和5年度雇用保険料率
    ;令和5年3月分からの社会保険料
3<<<<< 気になるニュース 
    ;雇用関係助成金ポータルがオープン
    ;雇調金コロナ特例を終了し通常制度へ
    ;令和5年度国民負担率は46.8%の見通し
    ;無期転換ルール労働契約関係の明確化
    ;全世代対応型の健康保険法等の改正案
    ;リスキリング・労働移動・賃上げの方向性
    ;就活ハラスメント防止対策企業事例集
    ;介護保険証もマイナンバーカードと一体化
    ;自己都合退職の失業給付開始期間を短縮へ
4<<<<< 広報・リーフレット
    ;人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)
    ;賃金のデジタル払い
    ;就活ハラスメント防止対策企業事例集
5<<<<< お役立ちアンサー

■====== 1; ワンポイントクイズ ===========

Q: 期間を定めた労働契約締結の際の注意点は?
A:  (答えは巻末をご覧下さい)

■====== 2; 今月のお知らせ ============
見出しの赤い文字をクリックして関連資料をご覧ください

●尾小屋鉱山マインロード見学会 
日本有数の銅山として知られる尾小屋鉱山の坑道や資料館と旧尾小屋鉄道の屋外展示など、資料館学芸員さんにガイドをお願いして鉱山町として栄えた尾小屋の町を歩きます。
日時:令和5年4月8日(土)10時~12時ころ
場所:(集合)小松市尾小屋町 尾小屋鉱山資料館
食事:なし(解散後、各自で対応お願いします)
費用:資料館入館料実費(500円程度~条件により割引あり)
装備:坑道内および資料館周辺のアップダウンを歩ける程度の靴と衣服

●働き方改革から働きがい改革へ
~社労士と考える「人を大切にする社会」づくり~
 
下記のような課題を持つ経営者・人事労務担当のみなさまはぜひ、ご参加ください!
〇人材が集まる魅力的な企業にしたい
〇ビジネス戦略としてパーパス経営を実践したい
〇イノベーティブな企業づくりのヒントを知りたい
〇従業員エンゲージメントを高めることの経営上のメリットを知りたい

●令和5年度雇用保険料率ご案内 
令和5年4月1日から令和6年3月31日までの雇用保険料率は以下のとおりです。
・失業等給付等の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに6/1,000に変更になります(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は7/1,000に変更になります。)。
・雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)は、引き続き3.5/1,000です(建設の事業は4.5/1,000です。 )。

●令和5年3月分からの社会保険料 
石川県の令和5年3月分からの社会保険料

■====== 3; 気になるニュース ===========
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★雇用関係助成金ポータルがオープン-電子申請できる助成金の対象が拡大 
厚生労働省から、「雇用関係助成金ポータル」がオープンするとのお知らせがありました。これにより、電子申請できる雇用関係助成金の対象が拡大されます。受付開始予定日は、令和5年4月3日(月)とされています。具体的には、令和5年4月から開始となる助成金と、令和5年6月から開始となる助成金の2段階で、電子申請が開始されます。

★雇調金、コロナ特例を終了し通常制度へ-令和5年4月からの案を公表 
厚生労働省は、労使などで作る審議会を開きコロナ禍で設けられた雇用調整助成金の特例措置の扱いについて議論しました。
新型コロナウイルスの影響で支払いが膨らんだ雇用調整助成金について、感染拡大前と比較して売り上げが減少した企業を対象とする特例措置を終了し、前の年との比較で判断する通常の運用に戻すことを決めました。
審議会で、厚生労働省は感染拡大後の支払い決定額が6兆3000億円を超え財源不足が深刻化していることや、最近の経済・雇用情勢を踏まえ、特例措置を今年度で終了し、新年度から通常の運用に戻す方針を説明しました。
参加した委員からは、いまだに厳しい業界はあるものの、財源不足の状況などを考えると、移行は妥当だといった意見が出され、この方針が正式に決定しました。
詳しくは下記参照先をご覧ください。

★令和5年度国民負担率は46.8%となる見通し 
財務省は、国民負担率が、令和5年度予算では4年度実績見込みから0.7ポイント減の46.8%と2年連続で低下する見通しと発表しました。
国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保障(年金・健康保険などの保険料)の負担割合。
5年度見通しの内訳は、国税17.7%、地方税10.4%で租税負担率が28.1%、社会保障負担率は18.7%。国民所得の伸びが大きく、社会保障負担などの増加を上回る見通しで、国民負担率を引き下げた。令和4年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.5ポイント減(国税:0.2ポイント減、地方税:0.3ポイント減)と2年連続で低下、社会保障負担率も0.1ポイントの微減ながら3年連続で低下した。

★無期転換ルール及び労働契約関係の明確化、裁量労働制の見直しに関する改正省令等について諮問・答申 
厚生労働省から、令和5年2月14日に開催された「第188回労働政策審議会労働条件分科会」の資料が公表されました。今回の議題には、「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案要綱」等についての諮問が含まれており、同日、労働政策審議会から、妥当との答申もあったようです。内容は、無期転換ルール及び労働契約関係の明確化、裁量労働制の見直し(専門業務型裁量労働制の本人同意の追加など)です。

★「全世代対応型の健康保険法等の一部を改正する法律案」を国会に提出 
「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」が、閣議決定された後、令和5年通常国会に提出され、厚生労働省からはその概要などの資料が公表されました。
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、出産育児一時金に係る後期高齢者医療制度からの支援金の導入、後期高齢者医療制度における後期高齢者負担率の見直し、前期財政調整制度における報酬調整の導入、医療費適正化計画の実効性の確保のための見直し、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、介護保険者による介護情報の収集・提供等に係る事業の創設等の措置を講ずるとされています。
詳しくは下記参照先をご覧ください。

★「リスキリング・労働移動・構造的な賃上げの方向性」についての資料を公表 
「リスキリング・労働移動・構造的な賃上げの方向性」について議論がなされ、内閣官房HPから「第14回新しい資本主義実現会議」の資料が公表されました。
今回の議事は、「リスキリング・労働移動・構造的な賃上げの方向性」です。
働き方は大きく変わってきており、職務ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリスキリングを行い、職務を選択できる制度に移行していくことが重要であるとしています。
労働者が自らの選択によって労働移動できるようにしていくことが、日本企業と日本経済の更なる成長のためにも急務とし、国の学び直し支援策については、個人への直接支援中心に見直す。また、海外と同様に、在職期間中のリスキリングの習慣の形成を図るとしています。

★就活ハラスメント防止対策企業事例集 
「就活ハラスメント」とは、「就職活動中やインターンシップ中の学生等に対するセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント」のことを指し、立場の弱い学生等の尊厳や人格を不当に傷つける許されない行為です。令和2年度の厚生労働省の調査では、約4人に1人が就活ハラスメントの被害に遭っているという結果も出ています。企業にとっても、社会的信用の低下やそれに伴う応募の減少、従業員の働く意欲の低下により生産性に悪影響が及ぶなど、様々なリスクが生じる重大な問題です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001065368.pdf 

★介護保険証もマイナンバーカードと一体化 厚労省方針 
厚生労働省は社会保障審議会介護保険部会にマイナンバーカードを活用し介護保険被保険者証を電子化する方針を示しました。事務の効率化やデータ連携基盤の強化等につなげることがねらいです。2023年度中に議論をまとめて法改正のうえ、25年度には一部自治体での先行導入、26年度から全国の自治体での本格運用開始を目指しています。

★自己都合退職の失業給付開始期間を短縮へ
政府は「新しい資本主義実現会議」で失業給付のあり方の見直しなどの議論を始めました。自己都合退職の場合の給付制限期間の必要性について「慎重に検討すべきではないか」とし、資料では住民税の減免措置の対象外となること等も会社都合退職の場合との違いとして挙げられています。6月末までに策定する指針に盛り込むかを検討することにしています。
■====== 4; 広報・リーフレット ===========
見出しの赤い文字をクリックして関連資料をご覧ください

◆人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース) 
労働者に対して、有給教育訓練休暇制度または長期教育訓練休暇制度を導入し、実施した事業主に対し助成されます。
http://roamroom.sakura.ne.jp/sblo_files/roamroom/image/jyoseikin_2303.pdf 

◆賃金のデジタル払い 
キャッシュレス決済の普及や送金手段の多様化のニーズに対応するため、労働者が同意した場合には一部の資金移動業者の口座への賃金支払いも認められることになります。
http://roamroom.sakura.ne.jp/sblo_files/roamroom/image/E38387E382B8E382BFE383ABE8B383E98791.pdf 

◆就活ハラスメント防止対策企業事例集 
就活ハラスメント防止に向けて、採用担当者、リクルーター(OB・OG等)等を対象とした研修や就活ハラスメントに関する相談窓口の設置等に取り組む企業の先進事例をとりまとめられています。
http://roamroom.sakura.ne.jp/sblo_files/roamroom/image/001065368.pdf 

■====== 5; お役立ちアンサー ===========

期間を定めた労働契約締結の際の注意点
労働契約に期間を定める場合には、労基法により契約期間に制限があります。労働契約における契約期間の上限は、原則として3年です。ただし、次に該当する場合は、5年となります。
1.専門的な知識、技術又は経験であって高度のもの、例えば博士の学位を有する者、社会保険労務士、公認会計士、弁護士等との者との間で締結する場合
2.満60 歳以上の者との間に締結する場合
例外として、一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約、例えば建設工事などの有期的事業の場合や、認定職業訓練の職業能力開発促進法施行規則に定める訓練期間の範囲内で定められた期間については、その期間となります。
もし、労働契約を3年までとしなくてはならない業務に4年の労働契約を締結した場合、労基法第13条の「労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。その場合において、無効となった部分は、労働基準法で定める基準による」が適用され、4年という契約期間はその部分については無効となり、3年となります。
また、期間の定めのある労働契約の締結の際には、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」が設けられており、労働者に対してその労働契約の期間の満了後における更新の有無を明示しなくてはなりません。
更新する場合がある旨を明示した場合は、同時に更新をする場合または更新しない場合の判断基準を明示しなくてはなりません。そして、雇入日から有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続勤務している者に対して、更新しないこととする場合は(あらかじめその契約を更新しない旨を明示されているものを除く)、少なくとも契約期間の満了する日の30日前までに、更新しない旨を労働者に予告しなければなりません。