スモールトーク
いまどきの雪すかし
この冬は「大雪」でした。北陸の冬に雪が積もるのは当たり前ですし、雪が積もれば雪すかしも当たり前です。ただ、この時期に雪のない季節と同じ暮らしをしようとするとそれなりの対策が必要なようです。食料品の心配はほとんどなくなり、雪道もスタッドレスタイヤでほぼ安心、幹線道路は除雪が行き届き路地の多くは融雪装置が稼働します。その分、除雪費が予算の倍以上にかさんだ地域も多く、3月には予算の追加や補正がおこなわれるということです。事務所の駐車場は、大家さんでもある建設会社の人達が見事に除雪して大きな雪山を幾つか作りました。自宅は海岸に近く普段から降雪の少ないところにありますが、10センチほどの積雪でも自宅前まで除雪車が出動してきて申し訳ない気もします。中には、折角の除雪の後から雪をもう道路に一度まき散らす家もありますし、敷地の雪を除雪車の前に運ぶ人もいます。でも、私の地区ではこの費用を自治体ではなく町内会費からの支出でまかなっています。全ての道路に除雪車が入るわけでなく、場所によっては最後の数メートルで車の出し入れができなくてクレームの原因にもなっています。かつては、地区の除雪はその地区の人達が助け合って作業したので狭い道でも生活に必要なところは除雪したそうですが、いつの間にか“除雪機”の来ないところは“除雪”しないところに決まってしまったようです。雪に閉じ込められた実家の母は数十年前に退行したかのように気合が入り、子供たちが学校へ通う大事な道、デイサービスが迎えに来る大事な道、と見事に十数メートルを除雪してしまいました。もっとも、人が歩くほどの幅だけなので自動車で通ろうとすると片側の車輪だけしか接地せず傾いてしまい、除雪車が通った道との交差点には大きな雪の山が残ったままで4WDのテストコースみたいでした。
2011年3月6日