スモールトーク

この夏を冬タイヤで乗り切る

ガソリンエンジンのSUV車というのは、エコでもクリーンでもなく、時代の流れから大きく外れていると思っていました。メーカーもそう考えて製造を控えているかも知れません。ところが、意外と人気があって生産が追い付かず、車種によっては1年以上の納車待ちというのが当たり前の状態だそうです。実は、私も、昨年発注した車が未だに納車時期の見込みが立たないまま、暮の車検切れに間に合うかどうか少し不安になっています。軽自動車規格の四輪駆動マニュアル車で、冬には必ず雪が降るローカルエリアでの仕事や暮らしには必需品になっています。サイズは大きくないので燃費もほどほど、エコではないですが大型ハイブリッド車ほどの環境負荷もないかもしれません。不思議といつまでも長く使える車で、20年以上前のモデルを当たり前に見かけますし、私もあちこち修理を重ねて、だまし騙しですが十年以上かけて20万キロを超えた距離を乗り続けています。昔から限られた固定ファンがいるものの、もともと生産台数が多くない車をモデルチェンジしたところ想定外に受注が増え、ここにコロナの感染拡大の影響からくる操業の中断や半導体不足で生産の遅れが加わり、おそらくは官公庁需要を優先させた事情もあって十数カ月が当たり前というくらいに納車が遅れているようです。人気は人気としていいのですが、ここにきて困るのはこちらにも事情があることで、今の車の車検までに納車が間に合うか間に合わないかはっきりした約束はなく、購入資金の準備なども含め先の対応が立てづらくなってきました。昨年の秋に発注したときは1年ほど先の納車が見込まれていたので冬タイヤはこれが最後と考え、今年の春の時点で冬タイヤを外さずに今も走り続けており、暮に車検が必要になり次の冬も走るとなると負担が大きいのです。或いは、車検を受けずに今の車を手放すことも一つの方法と考えられますが、車なしで過ごすわけにはいかず、安心して冬を乗り切るには同じような車が必要だと思います。今の車を売り払って同じような車に乗り換えるくらいなら今の車に乗り続けるというのが無理のない結論として残ります。少し費用が嵩みますが、新規購入のイニシャルコストを先送りできるのは資金面から気が楽です。車種により差はあるものの、半導体不足から新車の生産が遅れてしまい、足りない新車の穴を埋めているのが中古車であり、中古車の価格が上昇していることも耳にします。カーナビなど半導体を使うオプションをできるだけ付けないと納車の遅れは少なくて済むとか、車検が切れる前に中古車として売却すると価格的に有利だとかのお誘いもあります。これまでに経験のない形での自動車の買い替えとなり、ローンも組みづらい環境で、車の選定での迷いとは別に先行きの不透明さに迷うことになりました。とはいえ、ここまで乗り続けたことがエコとも思えますし、四駆はパートタイムで普段の走行がFRだとガソリン消費は少なく、この先も大きな事故や故障さえなければ車検までに無駄な出費も必要なく、雪が積もって冬タイヤを温存しておくべきと後悔するまでこのまま走ってくれるかもしれません。

2022年8月1日