スモールトーク

アラカンのセンターへ

学生時代にゼミやサークルで同期だった人達から、そろそろ定年だとかこれが最後の人事異動だとか、そんな知らせが届くことの多い年代になりました。気がつけば、高校を卒業してから一浪二浪した人達が当たり前というのが自分の周りの人達で、私自身は現役で進学したのですがむしろこれが例外的な立場だったため、すでにセカンドライフを考える同期が増えていたのです。とはいえ、同期生から定年後の展開を聴かせてもらう機会はまだなく、趣味や資格を大事にしながら再雇用の道を選択する人が多いのかと考えています。一方では、定年を深刻に受け止めるほどの仕事に就いていないということも自分たちの年代の一般的な就職状況でした。女子学生の求人が殆んどない時代でしたので、高度成長が終焉したとはいえ男子学生がその気になればどこかに仕事口はあったのですが、最初の仕事が就職先の会社の整理だったり、アンダースキルで給料が遅れ遅れの会社だったり、時間の長さは今ほど気にすることはないものの休日出勤と残業が続いたり、今ならブラックと言われそうな会社からスタートした仲間が多くいました。海外から帰らずに仕事を見つけた人や、自分でフリーの事業を始めた人や、大学に居残った人もいれば、30歳代になって教職に潜り込んだ人がいたり、実際には劇的な定年を気にすることのない人達が多くいて、定年を機に生活が変わる仕事に就いている方が特殊な世界のことのようにも思えます。さはさりながら、生物として人間の寿命は120歳まで、ちょうど半分にあたる60歳は折り返し点という話を聞くと、かつては初老の厄年で人生をリセットする考えがあったという話と並べて考えてみて、会社がきちんとペース配分を考えてくれる官公庁や大企業の知恵は捨て難いと思うようになりました。

2013年12月29日