スモールトーク
ウイズ・ポスト・ビヨンド

数年前までは時期が来れば開催されるのが当たり前だった祭りや会合ですが、今は細々とであっても開催できるようになったことが大変な成果のように思われます。直前の中止も常に覚悟しながら感染対策を施した広めの会場を準備したうえ、多くの人の集まる中で個々の人の参加や行動を制限しつつも誰もいなくては成り立たないのがイベントですので、どこも見かけ以上の費用を注ぎ込んでようやく開催された行事ばかりです。報道からはウイルスの感染力が弱まったように見えないのですが、広くワクチン接種が進んだことや武漢コロナの始まりと比べ症状も緩和されていていることから、世はポストコロナに向けて大きく舵が切られているように感じます。何が「もとの暮らし」なのか分からなくなるほど時間が経ち、テレワークまで行かなくても、マスクを着用して電話とネットで連絡を取り合うスタイルが何となく落ち着いてきた一方で、新社会人を対象にした研修では野球やサッカーやバレーボールなどチームプレイを自慢できる参加者が激減したという「異変」も定着しています。新卒の社会人だと高校生の学校生活の大半がコロナに抑圧されたことになります。大学生などの採用面接はリモートが主流になり、講義もリモートに違和感がなくなって、就活の進め方にも異変が発生していて、採用する側の対応がデリケートになっているかも知れません。そうとは思いながら、コロナだけを意識しているような環境でなくなっているのは確かで、コロナ対策は十分に施しながら、コロナより前と同じぐらいか或いはそれ以上の自由を手に入れることを目指してこそコロナに耐える意義があるのかと思います。ウイズコロナとかポストコロナとか、自分たちの業界ではビヨンドコロナなどとも言われていますが、これまでもやもやしていたことが一気に課題として沸きあがりそれが思いもしない方向に流れたまま落ち着きそうで、コロナをきっかけにこれまでとは違ったことを当たり前にしながら一方ではコロナが落ち着いたらこれまで通りに戻したいこと戻って欲しいこともあります。本当に元に戻るのがいいのか、このままでいいのか、もっと進んで変化を求めるのがいいのか、このあたりがウイズコロナでありポストコロナでありビヨンドコロナであって、ニューノーマルと言われる着地点を求めるポイントになりそうです。昨日とは違う今日であり、今日とは違う明日があり、いいかどうか分からずとも明日は明日なりに違った暮らしが有るのは確かです。
2022年6月5日