スモールトーク
シノワ仕立の新型コロナ
この冬は職員全員がインフルエンザ予防接種を受け、事務所の入り口に置くアルコール除菌剤を買い換え、これまでよりも感染症対策は向上したと考えていたところ、中国湖北省武漢で発生したとされる新型コロナウイルス肺炎の感染拡大で、更に感染症への対応を強化すべき時期に来ている様です。石川県では県庁職員が感染し、公立学校の生徒や医療機関の職員からも陽性反応が確認されたとのことで、身近なところで一層の感染防止策が必要になってきました。当初の報道では世界保健機構が随分と軽い感染症として取り扱っていた印象があり、感染源は野生動物であってヒトからヒトへの感染も確認されず、感染力も症状も新型インフルエンザのように大騒ぎしなくても中国国内のローカルな問題として収束するものと思い込んでいました。ところが、2月も月末近くになると様相が一変して、私の周囲で開催が予定されていた研修会やセミナーは3月半ばころまでの日程は多くが中止され或いは延期される旨の案内が届くようになりました。講師としてお伺いした県外の研修会場ではまだ感染が報告されていなくても部屋に除菌ウエットティッシュを備えて各受講者にマスクを配布して研修を行い、自分たちが属する石川県社会保険労務士会が主催する研修会の会場は感染職員が勤務する出先機関が置かれている建物でもあり直前になって中止の案内が届きました。少人数の打ち合わせなどだと失礼かと気を使いながらマスクをしたままであっても嫌な顔をされなくなったように思います。確実な予防対策があるわけではなく、インフルエンザと同様に手洗いとうがいが基本で、マスクはないよりあったほうがマシということのようです。たとえ新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスと比べて感染力が弱くて症状が軽いのだとしても、インフルエンザのようにワクチンがあって予防接種を受けたわけでなく、効果的な治療法は手探りのような状態にあると考えるしかなく、不確実ではあっても感染のリスクを少しでも避けることが今できる一番の予防策です。そのためには多人数での会合や会食を取りやめるのは止むを得ないことでしょうし、不要不急の外出を控えるのも大事な心掛けだと思います。新入社員が入職する時期にいつまでなのか先が見えない辛さはありますが、しばらくは私も研修会や懇親会への参加を見合わせるべきかと考えていますし、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、成り行きによっては講師依頼を辞退したり企画中の研修を中止変更したりすべき時期が近いのかと考えています。
2020年3月10日