スモールトーク
ジオパークと北前船と浅川マキの美川

手取川の河口にかかる橋を渡るのにいつも通っている美川の町に少しだけ関りが深く感じるようになりました。手取川は白山麓の源流から河口まで多くは白山市域を流れ、河口の美川も今は白山市に編入されています。白山市は暖流の流れる日本海からの気流が白山へ大量の雪をもたらし、世界的にも稀な低緯度の多量積雪地帯となっており、雪が解けると手取川を経て再び日本海へ戻り、狭い範囲で「水の旅」が繰り返されていて、市域全体が白山手取川ジオパークとなっています。日本ジオパーク委員会は「白山手取川」をユネスコ世界ジオパークに推薦すると決め、手取川河口に位置し白山の全貌を眺めることができる美川も、海と扇状地のエリアとして多くの湧水を誇る特徴的な立地にあります。第一の関りは河口からの遠望です。この地が美川と名付けられたのはさほど古いことではなく、明治になって金沢県が石川県となりここに県庁を置く際に「能美郡」湊と「石川郡」本吉から一文字ずつ抜いて美川としたそうです。150年ほど前までは本吉湊とよばれ、美川という地名はなかったようです。本吉は室町時代から三津七湊の一つに数えられる古くからの湊で、江戸時代には北前船の寄港地として賑わった歴史が有ります。今年は、この北前船の寄港地として、美川のある白山市が令和2年度日本遺産に新たに追加認定を受け、北前船を看板にしたイベントが行われています。風の力で海上を走る船を操る者として、お誘いを受けて美川で開催されたフォーラムに参加したのが第二の関りです。そしてもう一つ、年金の業務に携わる者として、白山市に編入される前の美川町の国民年金の担当部署に家出?前の浅川マキさんが配属されていたという話が気になりました。コロナのため、おそらく私には今年の最後のライブになる1月の金沢もっきりやでの浅川マキ誕生イヴ、もともとが川を隔ててとなりの町、ステージに上がった妹さんが高校の先輩らしいことも分かりました。京大西部講堂でのライブを聴き逃してから続く第三の関りかもしれません。もっと深く入り込もうというつもりではありませんが、今年はクマの出没が多く、手取川中流域の鶴来の街歩きを考えていたのを海岸線に降りて美川に変更し、北前船とジオパークを一度に楽しむ企画が進んでいます。
2020年11月22日