スモールトーク
セキュリティ
開業準備のため事務所を探していたとき、不動産屋さんで聴いた話を思い出しました。事務所に金庫を置いてはいけないと言われたのです。事務所に現金を置かないのは当然のことですが、金庫を置いてあるだけでも現金の存在を連想させ、泥棒に狙われる危険が高くなってしまうのだそうです。私達の事務所では普段から現金や高額品を扱う仕事ではなく金庫をおく必要もなかったのですが、突然、この話を思い出す事件が起きてしまいました。未遂ながら事務所あらしのようです。事務所の入り口ドアのガラスを外す要領で金属板を外そうとしたのか、ドアの枠をこじ開けたような痕跡がありました。時間があれば一枚そのまま取り外してしまう積もりだったのかも知れません。上のフロアの社長さんが朝一番に出社したとき最初に気がついて、すぐに私も知らせてもらったのですが、1階のドアも似たようなことになっていました。実行は夜間、まだビルに人が残っている僅かの時間のことだったようです。多分、人の気配で逃げたのではないかということです。狙われたのはゴト日の晩で、集金したお金か何か置いてあると勘違いしてきたのでしょうか。実際のところ、事務所には現金もなく高額品もなく、侵入が成功したところでたいした成果がなかったことは確かです。事前のリサーチが甘く無駄な行為でした。ただ、後で考えてみると、給料計算の仕事をしていることを聞きかじって勘違いをされたのだとすると物騒なことです。また、パソコンを壊されたり資料がなくなったりすると元通りに回復させるには膨大な時間と手間がかかり、あらためて物的な価値よりデータのセキュリティの重要性を認識しました。雷や水漏れ或いは火災や地震など災害を想定した対策だけでなく、物的さらには人的な侵害を企んだ犯罪行為を想定したセキュリティを真剣に考える機会にもなりました。すぐに実行できる対策は少ないのですが、経費のかからない簡単なことから手を着けています。
2010年7月5日