スモールトーク

ディープな磨きの伝統芸能

 雨雲や豪雨を意味する「ニンバス」の流行が拡大中だそうです。コロナのオミクロン株が変異したこのウイルスの感染力は強く、症状は「カミソリを飲み込んだような痛み」が特徴と言われています。お盆休みによる人の移動増加に加えて猛暑による換気不足が流行に拍車をかけたようです。ピークアウトの見込も有りますが暫くは注意が必要です。私自身は昨年の夏に罹患してから一区切りを終えて、コロナ後の世界が始まったつもりでした。医療機関以外でマスクを着用することもなくなり、研修会や懇親会もリアルで参加が当たり前になっています。人が集まるイベントも変わらず開催されるようになり、久し振りと分かっていてもお誘いの全てに参加することは出来なくなりました。そんな中、次の機会に持ち越そうか迷ったのが「6年振りの盆踊り」でした。子供の頃、墓参りに行くと連夜で「じょんがら」のあった盆踊りです。コロナ期の一時的な中止からの再開でなく、一度は「廃止」即ち将来に向けて消滅を決めた盆踊りを「復活」させ再興するというものだったので、応援の意思表示をしたかったのです。本当のところ、自分の日程がタイトで厳しいことと、知人を誘いたかったこと、それに元々お盆ということもあって、来年の方が間違いないという気持ちでした。それでも、盆踊りは屋外のイベント、天候を考えると今年の暑い夏を逃して来年が確かか分かりません。やはり、復活の最初の年に行っておかないと、来年に向けた勢いも違ってきそうです。外れに車を停めて村の奥深く入ると、盆踊りのために在るような広場の中央に桟敷が組まれ、ここには三味線と太鼓と笛に歌い手が上がっています。遅れて入った会場は前半を終え、休憩のあとは休みなしで「じょんがら」とアナウンス、次第に踊り手が増えると桟敷にも気合が入ってきたようです。「じょんがら」は手取川扇状地を中心に南加賀から口能登に伝わっていて、石川県では野々市や柏野の踊りが知られていますが、人によっては津軽三味線と津軽じょんがら節を想い浮かべるようです。徳光町内会長の説によれば、「ルーツは鎌倉室町時代の富樫氏が加賀に着任した際、竹松町の住吉神社の御霊分けで若い衆が巫女などと踊りを奉じた「野々市じょんから」、竹松は我々の在所と極々近く我が町のじょんがらは、富樫氏館で奉じられた舞をルーツと考えるのは妥当」とのこと。明治期に発展を遂げた津軽と比べかなり古いスタイルのようです。とは言え、三味線のリフはタイトで踊りは軽やか、磨きのかかった伝統芸能になりそうです。加えて没後250年になる加賀の千代女も大好きで村々の盆踊りを見歩いたとか、きっと歌詞にも魅力がありそうです。それぞれの村のそれぞれの「じょんがら」、今度いつか、皆さんをお誘いする機会をつくりたいと考えています。