スモールトーク

ホテルの部屋から見るヨットレース

一度も海に出ないうちに今年もまた夏がやってきました。天候が悪いせいなのか仕事が忙しいせいなのか、少し時間ができて艇庫に立ち寄っても誰もいないことが多くありました。夏のスケジュールを組んでみるとお盆の墓参りやセミナーの企画が週末に集中し、この先、レースの予定日にはうまく日程を合わすことができそうにありません。コンディションが悪くて開催日が順延にでもなれば一度ぐらいはチャンスがありそうです。今年は、市民体育大会の日に一泊の予定で出かけてしまうという、スケジュール調整の失敗もありました。これは、ウエットスーツに自分の体が入りそうもないという不安と、自艇のメインブロックが破損して修理が間にあわないという不安で、出艇にあまり積極的でなかったということもあります。しかし、このスケジュール調整、思わぬイベントとシンクロする事態になりました。
 久し振りに能登に行ってみようと輪島のホテルに予約を入れた数日後、市民体育大会前日の開会式への参加要請で日程の重複に気づき、まず開会式も大会当日も欠席。ずっと海に出ていないのでせめて巌門の遊覧船に乗ろうかと思ったものの船着場までの足元が悪くこれは断念。そのまま震災修復工事中の総持寺から門前黒島北前船資料館でジブセール艤装和船模型を拝観。新潟県佐渡市とともに石川県能登半島が世界農業遺産に登録されたというニュースを聞きながら、輪島の千枚田パーク沖にセーリングクルーザーの帆走を遠望。まだ明るいうちにホテルに入り海を眺めながら露天風呂入浴。翌朝も海からの風に当たりながらの入浴。そして、部屋に戻ってカーテンを開けると窓のすぐ外の海上には二十艇余のクルーザーが集まっていました。マリーナ建設を記念した輪島と舳倉島の往還レースのスタートだったのです。地元の新聞ではこの8月に北前船も復元されて金沢港沖を帆走させる計画だそうです。帰宅して土産の味噌饅頭を食べながら、もう一度、夏の予定を組み直そうかと考えています。

2011年7月8日