スモールトーク

メモリアルライブから鎮とした一年

 最後のライブからもう一年が経ちます。地元出身のシンガーのメモリアルで、小さなお店は関係者も多くいてほぼ満席で、今では考えられない状況でした。この頃、武漢ウイルスについてよく分からず、尾山神社では海外からの観光客が目立つ時期でした。まだ、武漢でコロナが発生しても中国政府は動物が感染源であるとしてヒトヒト感染について否定的であったのが、「感染を確定できず可能性は排除できない」という程度になってきた段階でした。国内でも「仮にヒトからヒトへ感染したとしても街中で爆発的に広がる可能性は低い」ということが言われ、WHOからも感染力について余り危険性の高くないウイルスという情報が繰り返し流されていたと記憶しています。不安をあおることが無いよう抑制的な表現で情報操作が行われていたのでしょうが、翌月になって横浜停泊のクルーズ船で多数の感染者がでて韓国などから入国拒否される事態になっても、まだ何となく自分とは隔絶された遠い世界での出来事のようにしか感じられませんでした。少し近づいたように思ったのが、県内の繊維素材会社の幹部社員が海外に渡航して帰国後に感染が判明したときですが、それでも壁の向こうにある大きな会社の特別な人たちに起こった特別な出来事という意識でした。ただ、私どもの業務の内容には大きな変化が起こっていて、小規模の企業では中国との関係から資材の入荷が突然に止まったり売り上げが激減したり、中国からだけでなく国内でも観光客など宿泊予約のキャンセルが続発したり、従業員の休業を実施せざるを得ない事態に至りました。その結果、行政機関から私どもに対して相談窓口での支援業務を依頼されたり、休業関係の助成金の申請手続きを依頼されたり、ゴールデンウイークが始まる頃には例年のこの時期とは雰囲気が変わってしまいました。この頃には、事務所としてコロナ感染防止対策が必要となり消毒液など備え付けましたが、多くの企業が実施したテレワークなど真剣に働き方を変更するところまではいきませんでした。むしろ、危機感の欠乏ではない筈なのですが、テレワークを試行してみたところ嫌われてしまいました。業務の性格からして専用のソフトや機材を利用しないと仕事が進まないこともあるのですが、おそらく、一人で仕事をすることの難しさを発見したのかも知れないと考えています。その後、GoToキャンペーンに乗ったイベントを実施するなど、事務所としてこれまでと少し違う方向で仕事に取り組んでいますが、年明けから感染者増加のニュースがヒートアップし、身近なところでの感染も耳にすることが多くなると、感染防止策を徹底しながら行動はもう暫らく鎮と縮んでいるよりないようです。ネットやテレビの画面でなく、普通にライブができるまで、もう少しと思っての自粛です。

2021年1月31日