スモールトーク
ライク・ブラウニー

能登半島地震から2年になります。震源から幾らか距離のある小松でも影響は少なくありません。建物の倒壊などは有りませんが、仕事柄、年金事務所に向かうと市役所周辺の空が広くなってきたことに気がつきます。耐震補強をすると思っていた公会堂も博物館も工事が間に合わなかったのか、また何か新しく建てるためなのか、芦城公園から市役所寄りの建物を取り壊すことになってしまったからです。どちらも古くて、それなりにお世話になった施設でした。特に小松市公会堂は社会保険労務士事務所を開業した頃から研修会場として何度も利用していて、戦闘機が上空を行き交う新入社員研修は私にとって思い出の多い場所になっています。その頃は研修の講師を依頼した皆さんも若い人が多くて、スタッフに昼食の弁当を会場まで届けてもらったら、ロビーで気持ちを集中させている講師をサボりの受講生と間違えてしまったこともありました。上の階にはホールのほか大会議室や展望タワーがあって、昭和30年代の建築という古さは古さなりに面白く、耐震補強のリニューアルも新築とは別にちょっと楽しめそうな建物でした。ただ、大ホールは小松駅前に団十郎劇場ができて役割を終え、会議室もホテルなどで代替が利くようになって利用する機会がなく、小松市役所一帯のエリアが変貌したことを楽しむべきかもしれません。私自身のことを振り返ると、ここ直近でも公会堂に足を運んだのは数年前で、工業高校のブラスバンドの発表会から後はコロナもあって公園に向かう通り道のようになっていました。私は公園を抜けたところの高校まで通学していて、この辺りは通学路でもあり、その頃から公会堂のステージに馴染んでいたということになります。公会堂で印象に残っているのは、今は80歳を超えて休演中の日野皓正さんのライブがあって、当時は“ライク・マイルス”のタイトルでエレクトリックなマイルスを追いかけているのかと思っていたのに、「マイルス・デイビスみたいと言われるよりクリフォード・ブラウンみたいと言われた方が嬉しい」という彼の言葉を伝えられた時、私自身は肝の据え方を教わった気がしたことです。気がつくと年金事務所は化粧直しを終え、歌舞伎を看板にした小松の町が防災を軸に組み替えられ、私たちの事務所も防災とBCPを軸に在り方を見直す時期に来ています。
