スモールトーク
仏子園の焼き鳥
北安田のお寺と聞いて最初に思い浮かんだのは、祖母が“めくらのアキガラスさん”と呼んでいた真宗のお寺で、十億の母を歌った暁烏敏の明達寺のことでした。引っ越して間もない十数年前、バザーの商品の提供を求める仏子園の子や職員に初めて会った時には、近所に日蓮宗のお寺があることも知的障害者の養護施設があることも知りませんでした。まだ障害者のための施設が十分でなかった先代のころから運営されている施設のようです。何年か前からヨットでお世話になっているセーリング協会の方からの呼びかけがあって、たまに私もこの仏子園のバザー「収穫祭」に参加することになりました。
今年も担当は例年通りに「焼き鳥」でした。好天に恵まれたこともあって人出は上々で、昼食を摂る時間もないほどに行列ができてしまい、お昼過ぎには完売となりました。炭火に落ちた鶏の脂と胡椒の煙が身体じゅうにしみ込んでしまったみたいで一日たってからも消えません。自分達のやっていることが彼等の役に立つのかどうかは分かりませんが、どこまでも明るい知的障害者、いつも前向きな聴覚障害者、もしや彼等は仏の子であり生き仏であり現人神であるのかもしれません。
2007年11月6日