スモールトーク
北信濃のゴールドラッシュ
![](https://tambo-sr.com/wp-content/uploads/2023/10/DSCF61512028329-1024x576.jpg)
この夏、お盆前、小松では気温が40度を記録し、日本で一番暑い地点となりました。フェーン現象で山越えの熱風が小松の辺りを流れたようです。台風が近づくとよく起こる現象ですが、ここまでになると、雨も少しぐらい降らせてくれないかと思ってしまいます。なにしろ、長い間、雨らしい雨が降りません。ほんとは、降らない方が気楽でいい筈なのに、今年は毎日の水遣りが欠かせなくなって、これが少し面倒になったのです。何年か前まで母が実家の背戸に野菜を作っていたのが、介護施設の世話になるようになってから雑草が増え始め、草むしりするくらいなら何か植えてみようと思い、昨年、試しにサツマイモを植えたらちゃんとできて、今年は、調子に乗ってカボチャまで植えてしまいました。しかし、今年の夏は普通ではなかったようで、暑さで雑草は枯れてしまい、たっぷり水を遣らないと暫らくで作物も萎びてしまいます。そして、水が掛かったところだけは雑草が元気で、カボチャは雑草の陰で申し訳なさそうに花を咲かせている有り様です。何も植えなければ水遣りすることもなく、水を掛けなければ草が伸びることもなく、簡単に草取りを終わっていたかも知れないと思うと、気持ちの萎えるところがあります。しかも、カボチャの収穫は2つだけ、苗を3株植えたうち実になったのが2つでした。後で聞いたら、これでもラッキーだったかも知れないのですが、本当に暑くならないうち自然に受粉したのが2つだけあったと考えるべき状況だったようです。カボチャには雄花と雌花が有って、一度に咲く花の数が少ないため人工授粉しないと実を結ぶチャンスを逃すことが多いとのこと。話を聞いたのが暑くなってからで、水遣りに行く時間には花が萎んでいて受粉できず、そのうち暑さが厳しくなるにつれて咲くのは雄花ばかりで雌花を付けなくなりました。蔓が伸び放題の株はだんだんと弱り、水を遣っても枯れてしまい、雑草のなかに2つの実だけが残りました。収穫前に蒸し上がってしまったかと思ったカボチャでしたが、しばらく置いて切ってみたら思いのほか実も詰まり、カレーに入れてもらうと普通に食べて大丈夫な出来でした。この頃の野菜の甘さには少し驚きます。何も知らずに作っても、品種改良ということなのでしょうが、甘みのある旨いカボチャができるのです。たまたま、先日、通りかかった信濃町は「ゴールドラッシュ」で渋滞気味でした。ここではトウモロコシの収穫時期で、農園の即売会場に車が列を作っていました。そして、このゴールドラッシュも確かに甘くて食べ易いのです。甘さの理由は気温の寒暖差と早起きだそうで、素人が簡単にできると思ってはいけないのですが、来年はトウモロコシにチャレンジする手も有りかと秘かに想いを巡らせながら、目の前のサツマイモの葉より立派に茂った草藪を眺めています。