スモールトーク

夏の粕汁

立秋、処暑、二百十日、と暦では秋に入っているものの、今年の長く暑い夏はまだまだ続きそうです。梅雨明け前の天候不順の長期予報もあって、幾分か準備不足のままに夏を迎えてしまった感じがあります。こんな夏になるのなら、そのつもりできちんと予定を組んでもう一度や二度は海に出る機会もあったはずなのに、気がついたら8月の日曜日は用事が立て込んで動きが取れなくなっていました。もっとも、8月はお盆や社会保険労務士試験など固まった日程が元から多い月で、夏休みの旅行を兼ねた訪問も重なる月です。9月も夏の続きと思い、暑さに誘われて台風が近づかないことを願いながら、しばらくは落ち着きそうもない暑さを楽しむことができます。
 気温の上昇に建物の風通しの悪さが加わって、職場も家庭も一日中エアコンが当たり前になり、コンビニや自動販売機も増えていつでも冷たい飲み物が気楽に手に入ります。家中の戸を開けっ放し浜風にあたって涼みながらソーメンやスイカを食べて昼寝していたのは前世紀のこと。今や、クーラーの前でカップ麺も一つのスタイルとして当たり前になりました。やってみると、熱い粕汁に室温の日本酒で晩酌というのもなかなかです。これにキスの煮付けを期待するのはちょっと贅沢な気もしますが、コゾクラでも十分に夏の雰囲気です。私にはカップ麺までが許容範囲のようで、エアコンの下での焼き肉やバーベキューには抵抗があり、やはりホットプレートよりも夏は屋外での炭火焼が季節を感じます。今年は事情があって町内会のバーベキュー大会が中止になってしまったのですが、暑さのおかげでそれ以上にバーベキューの機会がありました。実は、室内でやるなら夏にすき焼きや鍋料理も面白いと思うのですが、やはり違和感があるものでしょうか。

2010年8月31日