スモールトーク
梅雨が明けるかよい宵山

いつもなら梅雨が明けるか明けないかの時期、金沢はお盆で雷雨の合間を縫って早めに墓参りを終え、二つ三つ用事を束ねて午後のサンダーバードで京都に向かうと、四条通は祇園祭の宵よい山で賑わっていました。巡行までもう一晩あるのでブラブラと歩くつもりが、金曜日の晩ということで浴衣に団扇の準備も整えた姿も目立つ地下鉄から外に出ると思いのほか人出が多く、狭い小路にも屋台がびっしりと並ぶ中を流れに任せて通り抜けるうちに気持ちも昂りました。まずは、いつもの食堂で卵焼きと野菜炒めと味噌サバで腹ごしらえ。まだ空が明るいうちからビールを飲んで風に撫でられ街を歩くのは久し振りことのように思いながら、車両の通行が止められたばかりの大通りを月鉾から鶏鉾と歩行者も一方通行になって脈絡もない経路で長刀鉾の下に辿り着いた頃には日も暮れ始めて、汗の浮いた身体にもっとビールをプレゼントしたい気持ちを抑え自分の足で歩けるうちに宿に戻ることにしました。
2016年7月30日