スモールトーク

津波のない朝に海岸清掃

 夏至を越して日の出が少し遅れ始めた休日、久し振りに早起きして白山市の海岸清掃に参加しました。梅雨空の下、半そで半ズボンでは無防備かと考えて、ゴム長と合羽に軍手と帽子の重装備で出かけたのは一応の正解でしたが、海は凪いで風がやみ、朝とはいえ少し動くと蒸し汗が浮くようになるとメガネがすべって下を向いて作業するには具合の悪い状態になりました。時間が経つうちに海から風が入って気温も少し下がり、もう少し続けてもいいかなと思う頃には腹も空いていい時間になっていました。この日、いつもと比べて海岸には空き缶やペットボトルなど人工物は少なめで、荒れた後なのか潮のせいなのか沢山の重たい藻が砂に埋まっているのが目立ちました。とても拾える量ではないとプラスチックなど土に還りそうもないものから集め始めたのですが、期待以上の人数で、手当たり次第に拾い集めると大きな流木のほかは海藻も何も残さず足跡で埋め尽くされた綺麗な砂浜になりました。海洋センターそばの駐車場を見ると大型バスが何台か停まっていて、揃いのシャツや雨具で乗り降りしているのは、近隣の企業や大学・高校の皆さんのようでした。海岸の近くで暮らしている自分達よりずっと早くから準備して参加された人たちです。ナホトカ重油漂着事件から20年が経ちますが、荒れた寒い時期に、沢山の人がボランティアで参加されていたことを思い出します。これからも色々な人たちが様々の立場でこの海に来て海岸を見守ってくれることを期待しながら、この日は清掃が終わり綺麗になった海岸からビーチスタートの小型ヨットを出してクラブレースが始まりました。本来なら2週間前に開催の市民体育大会が前日の強風のため波が残って中止になったための再レースです。出艇を見送って帰宅するつもりで渚まで歩いて、ちょっと足を濡らすくらいでいたのが膝上まで浸かってしまい、汗と潮を流してお昼からリスタートの休日でした。後で分ったのですが、清掃中に長野県で地震が発生して、輪島でも震度4と発表されていました。揺れも感じず津波の危険もなく、防災の話を聞かせてもらった翌日だっただけに、危機管理・自己管理の難しさを感じています。

2017年6月30日