スモールトーク

港に本屋さん

日が長くなり天気がいいと夕方は明るいのでどこか寄り道したくなります。外の風が気持ちよくなり、久しぶりに港の様子を見に行こうかと思っているとき、フェイスブックで金沢港に「Logos Hope」という洋上書店として活動している船が寄港中という書き込みがあったので、仕事帰りに夕涼みを兼ねて乗船しました。乗組員は世界45ヶ国からのプロテスタント系ボランティアだそうで、人材が育成される貴重な機会として乗組員の子供たちも一緒に新しいスキルを習得し、多くの人達が2年かけて奉仕活動をしながら航海しているとのことでした。
 平日の夕方だったので待つこともなく乗船しましたが、あとで聞くと休日はかなりの混雑で待ち時間が長かったようです。長崎に寄港した後に金沢に回ったので、日本にはそれなりに慣れた感じの受付を済ませてボードを渡ると、船内では日本語が通じる雰囲気ではありませんでした。デッキまで出るには別料金のツアーへの申込が条件ということで、甲板に出るのは諦めて船内の書店へ直行し宗教関係の棚を通過してから、視覚的に分り易いので立ち止まったのは世界地図のブースでした。かなり詳しく書き込まれた中東の地図を眺めながらも購入することなく出口に向かいました。一人でプチカフェのケーキも落ち着かないかと思っていると、そこで声をかけられたのがFBに書き込みした知人で、ずいぶん長い時間を店内で過ごしたようです。みると、船内で買ったのはやはり地図でした。Spratly Islands南沙諸島、Paracel Island西沙諸島の表記表示も地図により違うのも面白く見ることができました。
 下船して振り返るとこの船は右舷を接岸して停泊していました。船は左舷を港に接岸するので左側をポートサイドと呼び、かつては右舷に舵がつていたので右側をステアボードサイド、舵を壊さないようステア側は接岸せずボーディングは左舷というのが船や航空機の長い伝統と教わった万年初心セイラーにとっては一つの謎を抱えたロゴスホープです。

2014年5月29日