スモールトーク
白山麓鳥越の新蕎麦
この秋はかつて山手五村などと言われた白山麓に出かける機会が何度かありました。秋になると温泉と蕎麦が合います。社会保険労務士の懇親会で泊まったのは白山里という細いトンネルの先にある隠れ家のような研修施設で、天然温泉に三度も浸かり、蕎麦だけでなく白山の堅豆腐や蒟蒻・虹鱒・岩魚・山菜などで満腹になる有り難い宿でした。道路が整備されて交通の便が良くなったお陰で時間もかからず、この日は仕事を終えてから暗くなってはいけないと急いだのか、入るべき脇道を通り過ぎて日暮れの山道を引き返すことになってしまいました。翌日も朝食をたっぷり頂いて満足し、何かあればもう一度ここへ行ってみようかと思っていたところ、ちょっとした失敗からその機会はすぐに実現しました。
自分の艇を一度も出さないままに夏が終わり、セーリング協会のシーズンオーバー打ち上げに参加したのですが、その会場まで鳥越の相滝から蕎麦屋さんが出張して来ていて美味しい蕎麦を頂くことができました。蕎麦が自慢の鳥越で、この蕎麦屋さんは村中の蕎麦が同じ味になっては詰まらないと考えて、五箇山の利賀村で修行してきたという話でした。この時は北海道の新蕎麦を頂き鳥越の新蕎麦が出るのは11月に入ってからということだったので、それなら相滝のお店へ行ってみようと朝の天気を見て出かけたのです。大日ダムに向かう道を折れると聞いていたので、それだけ分かればナビが無くても大丈夫と進むうち本当にダムに向かい林道に入り込んでしまいました。実は後で分ったのですが、道を折れてからの分かれ道に気付かなかったのです。とにかくお腹がすいて、ここは社会保険労務士会の懇親会でお世話になった白山里へ向かおうということになり、お昼なので白山百膳は敬遠して蕎麦と天ぷらだけでも満腹になりました。帰りの途中、腹ごなしに何年か前までは植物園 “はなゆうゆう”があった吉野谷温泉の大門温泉センターに立ち寄り、思いのほか明るく陽の射し込む温めの湯にゆっくりと浸って小一時間を過ごしました。目当ての蕎麦屋さんも大体の見当がついたので、この秋はもう一度、 今度は道を調べながら新蕎麦を食べに白山麓まで出かけることになりそうです。
2011年11月4日