スモールトーク

真似するだけでも健康経営

 雪が少なく春が早いのかと思っていたら、春休みの時期が来ても気温が上がらず、桜の開花予想が遅れてきているようです。北陸の桜は入学式のイメージが私にありますが、いつの間にか卒業式に桜が当たり前のなか、もしかしたら今年は入学式まで花が残っているかも知れません。新入社員に場所取りをさせてカセットコンロで暖をとるなど前世紀風のお花見を見てみたくなります。駐車場の蕾の下でそんなことを想いながら、年度末ギリギリに健康診断を受けてきました。コロナが落ち着いて受診が増えたのか、一人だけなら何とでもなるだろうという期待は甘過ぎて、秋が過ぎたら数カ月の間は予約で埋まり、無理やり年度末にはめ込んでもらった状態です。この健康診断に限らず、私どもの事務所では、ここ一年ほど健康の維持改善に関係するイベントを実施する機会が少なくなってしまいました。コロナが明けて屋内も屋外もイベントが多くなって、まとまった時間を取り辛くなったことが一番の理由ですが、感染症対策をクリアしたあとは何となく健康に問題なく物事が流れていく安心感に溶け込んだような気がします。「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」と定義されていて、病院での健診だけでは掴み切れない充足感までもが健康の条件になるようです。近年は、行政からも「健康経営」という言葉が出てきて、企業経営にあたり健康を支援し推進することに社会的評価が与えられるべきの考えが前面に出ています。経済産業省によると、「健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践することです。企業理念に基づき従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。」とし、「健康経営」は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つ、と説明しています。国の経済の面からみれば、高齢社会になっても長生きするだけでなく長く働くことができる人を増やす点に重心を置いています。企業サイドから考えれば、働く人が健康で期待通りのパフォーマンスを発揮することを前提に雇用し就労しているので、労働力の質を維持するという面で一致してきます。アブセンティズム(心身の体調不良が原因による遅刻や早退・就労が困難な欠勤・休職など業務自体が行えない状態)だけでなくプレゼンティズム(出勤しているにも関わらず心身の健康上の問題が作用してパフォーマンスが上がらない状態)が問題にされています。私どもの事務所としても今いちど健康をテーマに、気持ちよく働き易い職場となるよう、セミナーやウォーキングくらいは再開したいと考えています。私自身もコロナ後は体重が増加傾向だと指摘されていて、私のレッドゾーン68キロを超えると制御できなくなる危険があると警告されてしまいました。軽いことしかできませんが、お付き合い頂ける方がいらっしゃったらイベントにもお誘いしたいと考えています。