スモールトーク

砂浜を走る風の花

 普段から仕事で使っている車の走行距離が20万キロを超え、修理やメンテにかかる時間と費用の負担が重くなってきました。久々のモデルチェンジから暫らく経って落ち着き、ちょうど替え時かと思っていたのですが、半導体不足のため発注から納車まで通常でも1年ほど待たなくてはならないとのことでした。そのまま迎えたこの冬のシーズン、固くなっていたギアの交換修理をすでに終え、タイヤはまだ使えそうなので冬用に付け替えて、効きの悪いフロントワイパーも右側だけ冬用に取り換えて、一通りの準備はできました。ところが、まさか、気温が下がると不思議なほどガラスが曇ります。エアコンの能力低下か風量不足か、温度は上がっているし風は流れているし、とりあえずは車内の掃除からと考えてホームセンターに向かい曇り止めを購入して窓の内側を拭きました。見た目は大丈夫なので、テストを兼ねて白山市の海洋センターまで走ってみました。昼間の気温なら問題なしというところです。風の強い日でしたが海岸の駐車場には数台の車が停められていました。荒れた海に引かれて波打ち際まで下りている人もいて、防波堤のところまで近寄るとボールか何か投げつけられたように白いものが飛んできました。こちらが避ける前に頭の上を超えるのを見ると、波の花といわれる海水の泡の塊でした。岩場のない砂浜では馴染みが薄いのですが、テトラポットで波が砕かれて泡立ち、テトラの境目を走る風に乗って防波堤を越えて飛んできたようです。見れば大きなものは砂浜をころころと転がって防波堤の下に溜まっていました。風も上がってきそうなので、車に潮が着かないうちに引き上げ、常温でのテストは合格としました。氷点下はこの先の課題です。

2021年12月31日