スモールトーク

遠い雨の記憶

 この前に雨が降ったのは一体いつのことだったか、思い出せないほど長く降っていないように思います。多分、ひと月ほど前のこと、もしかしたら夜だけ雨の音がしていた晩があったような記憶があるくらいです。雨の上がったあと、喉の痛みと咳が気になり熱っぽくなって受診したところ、暑い車内で待機して診察も受けずに検査を受けただけでコロナ感染が告知されて対処薬の処方が出され、そのまま走った薬局では薬剤師からコロナですかと尋ねられながら薬を待つうち喉が渇いてペットボトル一本を空けました。このあたりから雨の記憶がないのです。日中の草むしりには身の危険を感じるほどの暑さなのでこれは控えながらも、実家の水やりは間違いなく毎日続いたので、たっぷり雨が降るような日はずっと無かったと考えて間違いありません。会合の翌日に喉が痛くなり、タバコを吸う人がいたせいかもしれないと思ったのが始まりでした。二日目には長い話がし辛くなって少し咳払いするような感じで喉が酷くなり、そのあとは鼻水が出始めて体温は37度を超えて血圧も心拍数も急上昇したので近くのクリニックを受診しコロナと分かりました。私に続いて家族の感染もあって休みが続き、しかも今年はお盆休みの前に連休が組み込まれていたため、雨の降らないお盆の休みが明けても毎日の水やりが続きました。こんな風に書くと大変な作業をしているみたいに思われるかもしれませんが、時間にすると1日に10分か15分ほどの時間、それでも放ったらかしにすると茄子や南瓜はすぐに枯れてしまします。当たり前に陽射しは強く、水道の水は冷たく気持ちよく、わずかの時間に足はサンダルの形をきれいに写し、知らない人に足を見せると湿布剤を貼っているように思われます。そして不思議なのは雑草の強さで、お金を払って買った苗は一日で萎びて枯れてしまうのに、水を掛けていないはずの草がどんどんと茂ってエリアを拡大し続けています。熱中症予防とコロナ療養を大義名分に掲げて草むしりは出来るだけ避けて過ごしているものの、このまま放置していると先がどうなるか心配になり、日陰だけでも何とかしようと引き抜いたらプチプチと簡単に切れてしまうヤツやら、見かけは小さくてもしっかりと根を張って鎌を使ってズタズタにしても次の日には芽を出すヤツやら、水道代を心配しながら連日の水やりに加えて面倒くさそうに次の課題が出番を待っています。コロナでも体に合わせてできることもあると分かったので、何とか草むしりができたら、ジャガイモやタマネギぐらいは作れるようになってみたいものです。ここにきて台風のニュースが流れているので、壊れたままの雨樋や腰板を修理してもらい、まずは台風をやり過ごし秋の準備をしなくてはなりません。