スモールトーク

都合のいい自己責任

間違いを直すのは想っている以上に難しい事のようです。もう一年ほど前のことですが、育児休業関連の助成金で不思議な隙間に落ちて失敗しました。3月に給付要件を満たし半年の実績を確認して申請受付のところ、途中6月に制度改正があり条件変更されたものです。確かに申請時の制度で給付と記載。疑問はあるものの、困ったのは地方分権の上を行く業務委託でした。申請の受付窓口は受託財団の地方事務所、しかし相談に対し県労働局では権限がなく本庁対応と言われ、何度かの質問に受付確認以外は何の応答もないまま1年が経過しました。間違いを正すより責任を糺すことが難しいようです。
 もう一つ不思議な出来事がありました。随分と古い話ですが、まだ民営化される前の郵便局から母に定期貯蓄の勧誘があり、修繕代金の支払資金だと断ったのに説得されて預け替えしたそうです。この時、老人マル優という手続もしてくれたのですが、既に父の死亡保険金が同じ局に定期で残っていて枠がなく、結果として過去に遡り全て無効で全額課税、まだ金利の高かった時代の十年定期は何十万円かの損害だったようです。驚くべきはこの後の対応です。元から預ける必要さえなく、説明があれば当然に手続するはずもなく、間違っていたのなら正しくやり直せばいいだけのことでした。しかし、自己責任。丁寧に局に呼び出された母は過去の証書を尽く書き直され、必要だった資金を引き出した時には局長から「引出は自認」と追い撃ちされたのです。
 地方に法務局があった頃の不思議な話です。借入の手続で銀行へ不動産登記簿を提出した時のこと、「あなたの物でない」と言われたのです。よく見ないままに渡した自分も不注意ですが、理由は明白で、手書から機械入力の単純ミスしかありません。翌日、家族に頼んで訂正を求めても自分から変更申請手続をさせられ手数料の支払まで必要でした。融資の日程もあり言われるままにしたものの、間違いが判っても直すことは簡単ではなかったのです。

2010年11月26日