スモールトーク

金沢どまりの新幹線

求人を出してもなかなか応募がないそうです。景気が良くないと言われながらチャンスは手の届くところにあって、何かしようとすると人手不足で事業展開を抑えたり縮小を考えたり、仕入を制限しながら売上計画を下方修正せざるを得ない企業が増えてきました。少子高齢社会とはこういうことかと思っていたら、この原因について新幹線開通説も理由のあることとして聞きました。この3月には金沢まで北陸新幹線が開通し、このタイミングで金沢周辺ではお店の改装など盛んですが、オープンに合わせてパートやアルバイトの求人が増えたので応募者が流れているに違いないという考えです。実際には来春の大卒も高卒も就職率が改善されていて、北陸では新幹線関連も合わせてそれなりに安定して仕事ができるようになったように見えます。もともとが積雪の多い地域でありながら降雪量がだんだん減ってきたうえに除雪対策が行き届いたことで、ここのところ完全に道路や交通機関が止まるほどの事態に至らず、その他の大きな自然災害も少ないこともあって、地域の産業が全体的に安定して人を雇う力を蓄えているようです。これから新幹線が開通すれば関東圏に金沢の魅力をアピールする機会が増えて観光面でのプラスも期待されますが、関西圏とのつながりの強かった南加賀でもこれまでの蓄積を活かして金沢から一歩先に足を延ばしてもらいたいところです。木場潟など環境への影響や新幹線駅と離れた小松空港の位置づけなど不安も出ています。できれば、ここで働きたいと考える人たちが各地から集まってくるようになると、新幹線が開通することの値打ちが出るように思います。

2014年12月30日