スモールトーク

金沢21世紀美術館

この冬、金沢21世紀美術館では「荒野のグラフィズム:粟津潔展」と題された長期の展示が行われていて、雪のない休日の午前中に周ってみました。会場に入ると連れが“ここは嫌いだ”と、いきなり騒ぎ始めましたが、暗い部屋に山下洋輔のピアノ炎上の映像が流れると落ち着きを取り戻し、その映像表現というよりブリジット・フォンテーヌの声や阿部定の朗読を聴いているうちに随分と時間が経ちました。いくら21世紀と看板を出しても展示の時間は進まず、気分は60年代・70年代の同時代性に回帰してしまいました。
 この美術館に入るのは私自身まだ二度目だったのですが、面白いイベントが多くファンには見逃せないようで、関西方面からもライブのスケジュールなどをチェックして何度も訪問する人がいます。この日は、ピーター・ハミルとの共演歴があるというギタリストが粟津潔・寺山修司「田園に死す」へのオマージュとしてライブを企画しているとのことでしたが、サウンドチェックとリハーサルの様子を横目に昼食を急ぐ事になりました。

2008年1月21日