スモールトーク
電化製品の見える化

いつも週末になると家電のチラシを沢山はさみ込んだ朝刊が配達されます。冷蔵庫や洗濯機・エアコン・ヒーター、思わぬ時に故障して慌てて買い替えが必要になるとチラシどころではなくなってしまいます。あとでチラシを見直すと、ゆっくり調べてからすればよかったと思うことが多くなりました。この頃は母親の使うものを買うことも増え、自分のものでさえよく分らずに決めてしまうのが、他人のものを買うことの難しさを感じています。ニーズとウォンツという言い方で分けると、自分の使うものはウォンツの要素がかなり入り込んでいるような気がします。高齢の母親の代わりに買いに行くとなると、殆んどニーズが先行していて、どうしても必要なもので実際に使えるものを探しています。そして、「これなら」と思って使ってみると大抵は失敗に終わるのです。ボタンを押すだけという感じの全自動洗濯機は、中身が気になって途中でフタを開けて停止したり配管から水を止めてしまったり、その結果、大きなバケツのようになってしまいました。鍋を焦がすことが多くガスはそろそろ危ないと思いIHにしてみても、火の燃えるのが見えないと納得できないようで、立派なナベ敷が鎮座する結果になりました。暖房も視覚が優先で、赤く見える電気ストーブはきちんとスイッチのONN/OFFしても、エアコンには合点がいかないのか部屋が少し温まると部屋の戸が開け放たれます。何とか使いこなすことのできたのは電気ポットぐらいで、ロックの解除と電動モーターの給湯に慣れるまで一月かけて、たまには電源プラグを抜いたままでもお茶を入れるという裏技まで会得したようです。家電店の販売員からはボタン一発で高齢者向けと言われても、どうやらボタンの機能を理解するにはそれなりの能力が要求され、納得するにはそのプロセスが目の前で展開されないと難しいようです。実は、炊飯中の炊飯器の蓋をあけるのは我慢できても、なぜか私も全自動洗濯機の作動中に中を覗きたくなってしまうのです。
2013年2月1日