スモールトーク

高齢者施設で障害者就労のマッチング

 NPOによる障害者就労支援事業所の立ち上げに関与したこともあり、石川県が主導する高齢者施設を対象とした障害者就労支援事業所とのマッチングに関わることになりました。今年の春から企業に於ける障害者雇用率が引き上げられて精神障害者も雇用の対象になったことから、小規模企業でも自社に相応しい障害者雇用の在り方について関心が高まり、また同時に障害者雇用の難しさを認識された企業も多かったように見受けられます。このマッチングは高齢者施設で障害者を直接に雇用するのではなく、障害者の人たちの就労のお世話をしている障害者就労支援施設に対して高齢者施設が業務を依頼することを前提に、人材が不足している高齢者施設で本来の業務に手中することが難しくなっている介護職員の負担を軽減できることがあれば、障害者就労支援施設のバックアップを受けて障害者が就労する機会の確保とあわせて高齢者施設のサービス向上に結び付くというものです。小規模企業での障害者雇用というと一般的には身体障害者の雇用をイメージされることが多く、就労先を捜している知的障害・精神障害の方との間でミスマッチが発生することも当然で、実際には雇用にあたって長時間の就労が難しい上に日常的な支援者のサポートが必要となり、更に就労自体が可能になっても通勤の問題が残ります。交通機関が不十分な地方の企業では自家用車での通勤を前提に従業員を採用しており、運転免許を待たない障害者は家族が毎日の送迎をしてくれなければ夫々の人の都合に合わせた企業による送迎を期待するしかありません。それで、課題を抱えたまま直接に雇用するより就労支援施設に清掃やクリーニングなどの業務を依頼して、人手が足りず雑務に追われる介護職員が本来的な業務に携わる時間を少しでも確保しようということです。障害者の人達は各々に出来ること出来ないことが様々で一律の対応が難しいのですが、パソコン操作やIT業務を得意とする人が少なからず存在し、ネットパトロールや給料計算業務・会計入力業務など一般企業にも対応できますし、テレワークやフリーアドレスも兼ねた業務請負も違和感がないようです。この事業による成果の達成に努めることはもちろん、併せて事業に協力いただく事業所にとっても新たなチャンスとなることを期待しています。

2018年8月27日