スモールトーク

黄砂に霞むワークスタジオ

花の早い春で、石川の平野は4月になる前に満開を過ぎたようです。陽が霞む黄砂の空に古い桜の木に咲く花が融け込んで視界の彩度が落ちてしまいました。例年なら歓送迎会そしてお花見のシーズンに向かう時期ですが、今年は幾分か落ち着いた年度替わりになりそうです。とはいえ、私どもの事務所では少し課題を抱えた春になります。というのは、研修会や打合せなど面談を前提にして進めていたことがZoomなどリモートで実施すべきことが増え、コロナ禍でその対応が不十分なことから何か打つ手を考えねばならず、また、私どもの事務所の職員がまさかの介護離職せざるを得ない事態に陥り、人員体制を整えつつ自分たちの働き方も考えるべき時期に来ていることに気がついたからです。リモート対応という面では、ワンルームでマイクを使えば室内のベルや会話を拾ってしまうのは当然のことで、セミナーなど受講はできても積極的に発信するのは難しいと考えていたところ、隣の一室が空いてここを借りれば会議室・研修室として事務室と分離した使い方ができるので、少し先のことも考えて事務所スペースの拡大を進めようと思っています。Zoom発信で家賃負担の増加がカバーされるわけではなく、事務スペースを拡げても業務効率が改善されるとも考えられません。そんな中、ビジネスカフェとはいきませんが、テレワークが普及し始めているなら同業の方たちにここをワークスツール的に利用してもらってもいいように思います。ネット環境が整備された環境にテーブルと椅子だけを設置するイメージで、飲食も会話もない昼間だけのネットカフェのようなものなら使い勝手は悪くないはずです。また、今後はリモート研修が一定のシェアで普及すると予想するなら、ちょっと大げさですが「研修スタジオ」を立ち上げて使ってもらうことも考えてみようと思います。無駄になるかも知れませんが、自分一人だけでも照明や音響やモニターなど確実な発信には必要なものなので、機材の休眠時間を短くすることからすると使ってもらうことが効率的とも考えられます。大型のディスプレイなど設置すれば事務所スタッフの研修スペースにもなります。自分達だけが使っているのと違いセキュリティの確保など新たな課題も発生してくるので、専門家にも相談しながら、桜が葉を拡げる頃には少し形を作りたいものです。

2021年4月25日