スモールトーク

3・11から一年

インターネットで調べものをしているとき、居眠りしているつもりもないのにパソコンの画面が揺れて焦点が合わず見づらくて、もしかしてこれが網膜剥離かと不安になったり、まさか脳梗塞はこんな気楽で苦痛を伴わないことはないだろうと思いながら、落ち着かない時間はかなり長く続きました。2011.3.11。このとき、遠く東北の地で大きな地震があったことはすぐ後から知りました。「義兄が仙台に出張中」「仙台空港に津波到来」「仙台駅から一度だけ電話」「姉の家をも見舞う」と自宅から心配そうな電話が入り、ずっと昔に二回ほど行ったことがあるだけなのに「仙台駅は内陸」とあまり根拠のない返事をしてから、自分を納得させるために地図を捜しました。そして、この後しばらく、義兄からの連絡は途絶え、地震と津波のニュースは流れ続け、原発トラブルが仄めかされるようになりました。
 震災発生の直後から周囲にいる多くの人達が救援に向かい、支援の物資や資金の調達も活発に行なわれていました。自分たち社会保険労務士会でも直ちに募金活動が行なわれました。この時期、支部の定例総会が開催され、その場でも義捐金の拠出が審議されました。しかし、上部団体への募金をする人もあり、支部としては何か別のことをできないかとの考えからこれを保留としています。実は、阪神地震や能登半島地震の経験からして、また社会保険労務士という仕事上の立場からしても、自分で働いて生活できるようになることが大切なことだと考えています。東北地方へ物資や資金を送る時期が過ぎると、東北地方の生産品を購入したり東北地方へ旅行したりすることで、被災地の人達が本来の生活に戻るきっかけができることを知っています。単純な考えのようですが、余震や放射線の不安を持つ人もいる中、会の支部として予算と時間の許される範囲で東北ツアーを実施しようと企画しています。できる限り「研修」も抱き合わせで開催しようという欲張りな考えです。震災から一年、ちょうど総会の時期にもなりますので、賛同を得ることのできる企画を考えたいと普段よりも少し力が入っています。

2012年3月4日